「2024年問題」の対応 物流事業者、運賃適正に

関係省庁連携し 荷主の行動変容促す 
設備の自動化など 生産性向上後押し 
公明、政府に要請

公明党物流問題プロジェクトチーム(PT、座長=赤羽一嘉幹事長代行)は21日、首相官邸で林芳正官房長官に対し、「物流の2024年問題」と呼ばれるトラック運転手への時間外労働規制の厳格化に伴い、中長期的に懸念されている輸送力不足などの課題に対応するための提言を手渡した。林官房長官は「いずれも、もっともな話。各省にもしっかりと共有する」と答えた。

林官房長官(中央右)に物流問題の対応に関する提言を申し入れる党PTの赤羽座長(左隣)ら=21日 首相官邸

冒頭、赤羽座長は2024年問題に伴い、30年度には、現在の物流量のうち34%が輸送できなくなる可能性があると指摘。こうした状況に対応するため、党PTとして全国7カ所の物流現場を訪れ、元請けよりもさらに下請けの「実運送事業者」が賃金の原資となる適正な運賃を収受できていない現状や、輸送を担う人材が不足するなど物流業界を取り巻く課題を調査してきたと強調した。 その上で、荷物の依頼主である荷主の行動変容や、設備の自動化など生産性向上に努める物流事業者に対する支援の必要性を強く主張した。 提言では、物流事業者が荷主から適正な対価を受け取れるよう、幅広い施策を提案。適正な運賃の目安とされる「標準的な運賃」の8%引き上げを今年度内に実施するよう要望したほか、料金の発生しない長時間の荷待ち・荷役作業が常態化していることなどを踏まえ、荷役対価や下請け手数料の加算を求めた。さらに、運輸業務の委託を重ねる過度な多重下請け構造の是正を訴えた。 また、トラック事業者より立場の強い荷主の意識・行動変容を促す観点から、荷主の所管省庁などが連携し、働き掛けや実態調査を行うよう提言。取引状況を監視するトラックGメンによる監視・指導の徹底も求めた。 輸送力不足を補う物流の効率化に向けては、複数の企業による共同輸配送やパレット(荷役台)の標準化など荷主と物流事業者が連携した施策の推進を提案。特に、倉庫の自動化など生産性向上につながる設備投資への強力な後押しを促した。 トラック運転手を確保するため、安全性に留意しつつ、中型・大型免許の取得者増加に向けた取り組みを求めたほか、外国人人材の育成・確保も申し入れた。

◆物流の2024年問題
24年4月から働き方改革関連法でトラック運転手の時間外労働が年間960時間に制限されることで、1人当たりの走行距離が短くなり、長距離でモノが運べなくなると懸念されている。その結果、物流・運送業界の売り上げ減少、トラック運転手の収入減少なども指摘されている。