精神障がい者の交通運賃割引が拡大

JR6社、大手民鉄9社で 
来年4月までに導入完了 
当事者団体の声受け、公明が強力に推進

JR旅客6社と大手民鉄9社は11日、精神障がい者を対象とした割引を導入すると発表した。2025年4月にはJRと大手民鉄の全16事業者で導入が完了する見込み。「身体・知的障がい者と同じように割引を適用してほしい」との当事者らの長年の要望が実を結ぶ。公明党は当事者団体の声に寄り添い、実現に向けて取り組んできた。

障がい者団体の関係者から要望を受ける赤羽国交相(当時、左から4人目)=2021年4月 国交省

割引導入予定時期は、京成電鉄が24年6月で東京メトロが8月、阪急電鉄と阪神電気鉄道が25年1月末ごろ。JR6社と、東武鉄道、西武鉄道、小田急電鉄、相模鉄道、京阪電気鉄道が同4月を予定。国土交通省によると、全鉄軌道事業者の約99%(輸送人員ベース)で導入が完了するという。また、公明党が強力に推進し、23年3月から始まっている障がい者用ICカードの対象が拡大し、25年4月から精神障がい者も利用可能になる。精神障がい者割引を巡っては、17年に西日本鉄道が大手で初めて導入したものの、他の大手に拡大しないことが課題だった。当事者団体の要請を受けた赤羽一嘉国交相(当時、公明党)は21年6月、省内各局に対して、精神障がい者割引の導入促進を指示し、事業者への働き掛けを強化。この間、多くの公明議員も国会質疑で導入促進を要請するなど強力に後押ししてきた。こうした中、23年4月に大手で2例目として近畿日本鉄道が導入。以降、東急電鉄、京王電鉄、京浜急行電鉄、南海電気鉄道、名古屋鉄道が続いていた。今回の発表を受け赤羽氏は「真の共生社会の実現、誰にでも優しい街づくりへ、これからも全力を尽くす」と決意を語っている。

10年越しの願いが結実

全国精神保健福祉会連合会 岡田久実子 理事長

なぜ身体・知的障がい者と同じ扱いをしてもらえないのか。当事者は、差別されているとさえ感じてきました。私たちは2014年に割引導入に向けた調査や要望活動を開始。今回、10年越しの願いが形になったことは、とても感慨深く、尽力いただいた公明党には感謝でいっぱいです。公明党が一番この問題に着目してくれ、当時の赤羽国交相にも直接、話を聴いてもらい、その後の大臣のリーダーシップは力強い励みになりました。障がい者がさらに移動しやすい社会へ、今後も取り組みを期待しています。