透明性確保し風評防げ

東電福島第1原発、処理水の海洋放出へ 設備、進捗状況を確認 
党復興加速化本部が視察

公明党東日本大震災復興加速化本部(本部長=赤羽一嘉幹事長代行)は4日、東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の構内を訪れ、廃炉作業やALPS(多核種除去設備)処理水の海洋放出に向けた進捗状況を確認した。3日の同県内での視察と合わせ、今後、自民党と共に政府に提出する予定の復興加速化に向けた第12次提言に反映させていく。

第三者機関の施設も訪問

原子炉建屋を見渡す高台から作業状況を確認する赤羽本部長(中央)、高木政調会長(右隣)ら=4日 東京電力福島第1原発

赤羽本部長らは、処理水の海洋放出に向けた設備について、5、6号機の原子炉建屋を俯瞰する高台から視察。東電側は、異常が生じた場合、移送ポンプの停止や複数の緊急遮断弁が作動することで、海洋放出が止まる仕組みなどを説明した。

知事、8町村長と懇談も

内堀知事(手前左)と意見を交わす党復興加速化本部=4日 福島市

また赤羽本部長らは、昨年9月に東電敷地内に設立された日本原子力研究開発機構の分析・研究センターを訪問。同センターは独立した第三者機関として、処理水や廃棄物の透明性を保った分析などを目的に設置され、担当者は今年3月から処理水の分析に着手していることなどを説明した。

1~4号機の原子炉建屋を俯瞰する高台では、1号機建屋を覆う大型カバーの設置作業や、炉心溶融で溶け落ち固まった核燃料(燃料デブリ)の取り出しに向けた現状を確認した。

一方、赤羽本部長らは、復興に向けた現場の声を探るため、内堀雅雄知事や双葉郡の8町村長らと相次ぎ懇談。交流人口の増加による風化防止や帰還を願う住民らを引き続き支援するよう要請を受けた。

赤羽本部長は「処理水放出による風評被害を防ぐため、第三者に公開しながら進めることが大事だ。また公明党は故郷に帰りたい人を最後まで支援していく。いずれも提言に反映していきたい」と述べた。

3、4日の視察には、赤羽本部長、高木陽介政務調査会長、庄子賢一衆院議員、若松謙維、横山信一の両参院議員、今井久敏、安部泰男、伊藤達也、真山祐一の各県議らが同行した。