迅速な賠償へ財源確保

原発事故 処理費用の上振れ受け 
与党が経産相に要請

斎藤経産相(中央)に申し入れる赤羽幹事長代行(左隣)ら=20日 経産省

自民、公明の与党両党の東日本大震災復興加速化本部は20日、経済産業省で斎藤健経産相に対し、東京電力福島第1原発事故の処理費用の上振れを受け、国に迅速・着実な賠償の実施に向けた財源確保などを求める申し入れを行った。公明党から同本部長の赤羽一嘉幹事長代行らが出席した。 原発事故の処理費用は、国が財源となる交付国債を発行し、資金を東電に貸し付けている。 上振れ分は、昨年12月に被災者への賠償基準を見直して対象を拡充したことや処理水の海洋放出などで1.3兆円、除染廃棄物の中間貯蔵施設への本格搬入で6000億円の計1.9兆円と想定。国は資金援助の枠を現状の13.5兆円から15.4兆円に増額する方針で、必要な措置を2024年度予算案に盛り込む。 提言では、国に対し東電が迅速・着実な賠償を行うよう指導するとともに、賠償や中間貯蔵施設の事業が遅滞なく行えるよう適切な財源確保を要望。東電には、迅速・着実な賠償の実施や資金捻出のための不断の経営改革を求めた。斎藤経産相は「しっかり受け止めたい」と応じた。 自公両党は、復興相、環境相、東電にも同様の申し入れを行う方針。