予算委員会(2008年10月06日)

行政改革・タクシーチケットの利用について



赤羽委員 公明党の赤羽一嘉でございます。
 本日は、まず、緊急経済対策であります補正予算案に対する審議、そしてまた過日の麻生新総理の所信表明演説に対して、何点か質問させていただきたいと思います。
 私に与えられた時間は三十分間でございますので、総理、できましたら御答弁は、簡素にして国民に温かい御答弁でよろしくお願いをしたいと思うわけでございます。
 これだけ景気が悪くなると、やはり、国民がこれだけ苦しんでいるんだから、まず政治家や官僚は襟を正せ、こういう意見が強いと思います。
 行政改革についての総理の所信表明演説は、やらなければいけないけれども本末転倒してはいけないと。これはまさに正論だと思いますが、多くの国民は、まず政府を小さくしろ、効率化しろと。これはまさに国民の皆様方の行政に対する不信感のあらわれそのものであると思います。
 ですから、私は、行政を見直すときには、まさにそれぞれが、民間レベルから見てどうか、民間準拠でやるべきだ、これを原則にして、国民の皆さんから見てこんな非常識が通っているのかといったものはすべて一掃するべきだ、そう考えております。
 公明党はこれまで、政治家、官僚の特権はなくしていこうということで、例えば政治家が二十五年勤務しますと、肖像画で百万円支給されたりとか毎月三十万円の交通費が出たという時代があったということですが、これももう既に廃止をさせていただきました。こういったことは不断に続けていかなければいけない。
 その中で、非常に象徴的なこと、ちょっと前に居酒屋タクシーという、私、一度も出会ったことがありませんが、この居酒屋タクシーをめぐるタクシーチケットの利用について、こういったことが問題になりました。
 私も総合商社で勤務したときは、毎晩、真夜中、最終列車に間に合うかどうかの仕事をしておりましたので、タクシーで帰るなと言うのは、今の国会の状況を見ますと、国会待機がこれだけかかっていて、それを帰るなと言ったら皆さん帰れなくなってしまうので、私はタクシーは使うなとは申しませんが、今、民間企業でも、社員が帰るときにタクシーに乗る場合は、タクシーチケットを使っている企業なんてありません。やはり、かかった分はみずから立てかえで現金で払って、領収書をもらって、翌日、会社で申請をして精算をする、これは当たり前のことです。この企業として当たり前のことは、当然、霞が関も当たり前にやるべきだ。
 人間というのは不思議なもので、チケットがあるからきょうもタクシーで帰ろうというのが、チケットはない、まあ最終列車に間に合うようにしようとか仕事の効率化を考えようとか、私は、人間というのはおのずから知恵を出すものだと自分の体験として実感しております。
 そういうことで、国土交通省が、六月に当時の冬柴国土交通大臣が決断をして、今国交省はタクシーチケットを使わない、こういったことが実施をされております。この一月目の調査、報告をされたわけでありますが、六月二十三日から一カ月間、タクシー利用は実は六百万円で済んだと。その前の一月は実に一億円かかったということなんです。九四%安くなっているんです。
 これは、もちろん国会の状況の違いとかさまざまあるにせよ、私は、やはり精神的な抑制、これは、ひいては官僚の皆さんの仕事の仕方についても相当健全になるというふうに思っておりますので、これは国土交通省の役所だけがやるのではなく、やはり、隗より正せ、まずみずから襟を正していこうという意味で、新しい大臣が、皆さんの政治決断でぜひ実行していただきたい、こう思うわけでございます。
 きょうは、全員にお伺いをしようかと思いましたが、時間もありませんし、我が公明党から出ている斉藤鉄夫さんに代表していただいて、環境省としての御決断を迫りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

斉藤国務大臣 お答えいたします。
 実は、環境省は、非常に少ない人数で多くの仕事をしておりますので、深夜残業、タクシーの利用が最も大きい役所の一つでございます。
 これまで、この合理化を図ろうということで、ISO14001の環境マネジメントシステムを使って削減に努力をしてまいりました。平成十九年度、昨年度は、平成十三年度に比べて約五〇%削減ということでございますが、さらに削減できないかということで、公明党から提案がありましたタクシーチケットの廃止、内々にこれを実行できないかということを事務方に検討させました。その結果、必要なタクシーは必要だけれども、タクシーチケットなしにこれを実行できる、合理化できるということが大体わかりましたので、私としても、タクシーチケットの廃止を指示したところでございます。
 環境省は、タクシーチケットを廃止いたします。

中小企業支援・セーフティーネット貸し付け・燃油高騰対策について



赤羽委員 どうもありがとうございます。
 タクシーチケットというものは、私は、ややもするといろいろな不正な事案につながってしまう、そういったことですから、タクシーは乗るなとは申しませんが、タクシーチケットはやはり慎むべきだと。官房長官、ぜひ官房長官のリーダーシップで、各省庁の足並みがそろわないようなことがないように閣内をおまとめいただきたいと強く要望するものでございます。
 次に、中小企業支援について。
 これは今、北側幹事長が再三詳細にわたって質問されましたので余り触れませんが、現場を歩いておりますと、本当に中小企業の多くの皆さんが、商売はある、だけれども原材料が高くなって、黒字が出るはずが全部赤字になっていく、だから、商売をやればやるほど赤字になって、このままいくとこの秋から年末にかけて本当に倒産するかもしれないと。このような悲痛な声が出ております。
 今、こういったことで、緊急対策ということで、相当踏み込んだ今回の緊急の保証制度ですとかセーフティーネット貸し付けの強化というのは大変評価ができるものだと思いますが、中小企業に対する金融機関というのは、これまで貸し出しは民間が八割ぐらいだと思います。その民間の中小企業向けの貸出残高は、やはり昨年ぐらいから相当減っているんですね。一方で、中小企業の小規模の倒産というのはふえている。銀行の不良債権の処理は進んでいる。
 こういったこと、どういう関連性があるかというのはなかなか簡単ではないんですけれども、私が大変心配しているのは、その中で頑張ってきたのが政府系金融機関だと思いますが、この十月一日から政府系金融機関も一本化されて、日本政策金融公庫と。まあ民営化されたわけです。商工中金にしても、政策投資銀行、政投銀にしても民営化されるとなると、やはり、これだけ厳しいときに相当踏み込んだ保証を請け負う金融機関が本当にあるのかどうかということを大変懸念しておりまして、この点について、これはどなたの担当なのかわかりませんが、経済産業大臣でよろしければ御答弁いただきたい、こう思うわけでございます。

二階国務大臣 お答えいたします。
 政府系金融機関の三公庫を一銀行に統合するという際に、大変熱心な議論が衆議院においても参議院においても行われました。たしか赤羽議員にも御質問をいただきました。そうした際に、やはり統合してよかったと言われるような金融機関にならなくてはならないということを、私も再三答弁を申し上げてまいりました。私は、そういうふうな結果をもたらすために、厳重にこの成り行きを見ていきたいと思っております。
 仰せのとおり、十月一日にこの統合が行われました。私は、統合の式典におきましても、温かみのある金融機関として頑張っていただきたいということを申し上げたわけでありますが、今、全国の中小企業の皆さんは、この統合について大変関心を持って見詰めておられます。
 ちょうどそこへこのような経済的な難しい状況を呈しておるわけでありますから、私どもは、これらの金融機関と相協力して、中小企業の皆さんのために真に頼りがいのある金融機関としてやっていっていただくように努力をしたいと思いますし、それに対するそれぞれの御質問や御意見、また、こういう扱いに対して、もう少し、政府やいろいろな関係者が説明しているとおりのことにならなきゃいけないわけですから、それに対して御意見のある場合に、駆け込み寺のような感じ、あるいはまた私たちの出先を総動員して、中小企業の皆さんのお役に立てるように頑張っていきたいと思っております。

赤羽委員 今、大臣の御答弁の最後にありました、個別事案についてよく相談を受けますが、なかなかこれは、民間と民間の話ということで、結局は銀行の言ったとおりになってしまう。これが貸し渋りですとか貸しはがしが起こってきた過去の事例だと思います。まさに駆け込み寺的な相談窓口、やはり金融機関に対しても物が言えるようなところをぜひつくっていただきたいと強く要望するものでございます。
 油が上がって、この油を使った現業、中でも運送業ですとか漁業はもう大変な状況になっております。
 この運送業に対する支援政策として、これまで、例えば実質的な値上げとなる阪神高速や首都高速の対距離制の運賃への移行を凍結もしました。また、高速料金の夜間の割引の拡充ですとか割引時間帯の拡大、こういったものもやっていただいたわけでございます。また、燃料サーチャージ制ということで、運賃の値上がりがなるべく影響が出ないようにということで、そういった施策もとられておりますが、まだまだ、やはり中小が多い運送業者の皆さん、本当にこれは走れば走るほど赤字を生み出してしまっているということでございます。
 政府・与党で、原油高騰対策として、トラック燃費対策構造改善事業というものを取りまとめる、このような約束をしたはずでございますが、国土交通省としてどのようなことがされるのか、お答えをいただきたいと思うわけでございます。

金子国務大臣 御指摘いただきましたとおり、軽油価格の値上がり、これが荷主に転嫁できずに、トラック業者、特に中小のトラック業者が大変苦労されている。御指摘のとおりであります。
 深夜の道路交通、高速道路の料金の割引、サーチャージ制も少しずつ進んでおるようでありますけれども、まだまだなかなか広がっていかないという現状も認識しております。そういう中で、今般、補正予算の中で、燃費効率を上げる、向上させる、あるいは事業の構造を改善するトラック業者に対して給付金を補助するというのを措置として入れさせていただいております。
〔委員長退席、鈴木(恒)委員長代理着席〕

赤羽委員 ぜひ実質的な、ダイレクトな支援となるように仕上げていただきたい、こう思うわけでございます。
 また、漁業につきまして、これももう既に発表されておりますが、燃油高騰対策として、省エネの実証事業といったものを今回の補正予算にも用意されておるというふうに了解をしております。
 ただ、この前の日曜日に、地元神戸にも漁港がございまして、神戸市の漁業組合の皆さんにお話をいただきました。大手ではない、非常に個人営業のところが多いわけでございまして、今回せっかくのこういった支援措置が、例えばグループで五隻以上の操業をしなければいけないですとか、一〇%の省エネというと、簡単に言うと、スピードを一割ダウンして操業する、そうすると大変水揚げが上がりにくいといったような実態があるそうです。だからこれは今回は見送りだなんという声が多いんですが。
 今回の措置は、そもそもは、相当燃油が高騰しているということで、助けたいということであったはずでございまして、ハードルを高くするということは役所としての本意でもないと思います。ぜひ、現時点での利用状況を詳細にヒアリングしていただいて、運営の改善をよろしくお願いしたいと思います。

石破国務大臣 おっしゃるとおりでございます。
 午前中は保利委員の御質問にもお答えをいたしましたが、とにかく親切に、丁寧に、迅速にということでございます。五隻以上ということになっておりますが、これも弾力的に取り扱わせていただきたいと思います。五隻未満でも取り扱いの対象といたします。また、一〇%も、十九年度を基準としてくださいということになっておりますが、それをほかの年の基準で置きかえていただいてもそれは結構でございます。
 全国的に事業を実施できているところとできていないところとございますので、ここをよく調査いたしまして、できないところはなぜできていないのか、御説明の仕方が十分ではないのか、御理解が十分ではないのか、そこをよく検証いたしまして、先生の御趣旨に対応するように私どもとしても対処してまいります。

奨学金の拡充・民間団体による奨学金について



赤羽委員 次に、景気が悪くなるとよく出る現象で、親がリストラになったから子供が学校の進学をあきらめるとか、今の日本でこんなことが起きるのかというような現象が実はあって、私は毎回この予算委員会の質問では、教育費用負担軽減について質問を挙げさせていただいております。
 私も自分自身が大学時代三つの奨学金をもらっておって、そんな経験から、とにかく奨学金で、親がかりじゃない奨学金で大学は入学、卒業ができるような、アメリカのような社会がいいんじゃないか、こう思っております。
 この中で、政府としても、当時は日本育英会、今は日本学生支援機構の奨学金で、十年前から比べると、こうやってグラフにもありますが、十年前は、全国で利用者、大学生が四十九万人だったんです。当時は、成績要件があって、成績が優秀な学生しかなかなか利用ができなかった。今は、成績要件が実質的に外れました。希望者全員に支給ができるようになりました。額も年々拡大をしております。
 また、私、昨年の臨時国会のこの予算のときにも、ことしから最高十万円が十二万円になる、毎月二万円上がるのなら四年間で九十六万円上がるわけだから、入学金のときになかなか対応できないということが問題なので、入学金の支払いというか支給を厚目にすることはできないか、こういった提案もさせていただきました。今は三十万円まで入学金としての支給がされておりますが、これは来年度五十万円に引き上がるという方向だということも聞いております。これは大変すばらしいことだと思いますので、ぜひその点についての御確認と。
 また同時に、この日本学生支援機構が、行政改革の話の中で、民間金融機関でやれというような意見が出ている、こういった話がございます。しかし、これは金融事業じゃなくて、当たり前ですが、教育事業でありますし、どこまでいっても民間の金融機関でやれるような話じゃございません、長期間の貸し付けでもありますし、無利子の部分もございますので。この点についても、文部科学大臣からの決意と今後の見通しについて、御所見をいただきたいと思います。

塩谷国務大臣 お答え申し上げます。
 赤羽議員においては、この点で前々から大変な関心をいただいておりまして、ありがとうございます。
 奨学金事業につきましては、経済状況によって就学の機会が奪われないように、家庭の負担軽減を通じて教育基本法にあります教育の機会均等を実質的に実現するものでありまして、重要な教育政策の一つと考えております。
 このため、今お話ございましたように、独立行政法人日本学生支援機構の奨学金事業については、来年度、二十一年度の概算要求においても、貸与人員の増員、これは無利子においては一万一千人、そして有利子においては五万七千人、そして新たな入学時増額貸与額につきましては、先ほど三十万というお話がございましたが、これは十万から五十万までいろいろなタイプに、その人に合ったような選択ができるようにしておりまして、この奨学金事業の充実を図っているところでございます。
 そして、奨学金事業、健全性の確保が重要な観点でありますので、そういう点で、民間の委託をいろいろ言われておりますが、やはりこれは教育事業として奨学事業をしっかり進めていくことが大事であり、もとより長期間、今お話ございましたように無担保ということもあり、これはとても民間ではできないと思っておりますので、我々文部科学省としても、より充実した形を進めてまいりたいと思っております。

赤羽委員 この奨学金、前回の政権のときにも質問をしたんですが、私は、国が制度を変えるということの結果として、民間というか世の中の考え方も変わっていくべきだと。ですから、私は、国の制度を充実させるだけではやはり限界がある、民間団体による奨学金というのがもっと設立されなければいけない、こう考えております。
 これを見ますと、(パネルを示す)アメリカと比べるのはどうかと思いますが、アメリカの場合は民間団体の奨学金というのは実は三三%、日本は一一%なんです。この数だけというか金額ですけれども、一人当たりの金額なんかも全然アメリカの方が充実している。
 こういったことは、どうか経済団体に対して、やはり企業としての社会に対する貢献ということは、なかなか給料を上げにくいというような話の中で、将来の人材を育てるスカラシップを設立するというのは、私は、企業モラルとして、企業風土としてつくっていただきたい、こう考えるわけですけれども、総理として、この点についての御所見、御決意をいただきたいと思います。

麻生内閣総理大臣 赤羽先生、これは特定寄附に対する免除の話と密接に絡んでいますでしょう。ここのところがちょっと今一番しんどいところかなと思っておりますが、流れとしては、基本的にこの方向が正しい流れだと存じます。

救急医療体制及び医師不足の問題について



赤羽委員 それでは次に、今回の総理の所信表明の中にもありました暮らしの安心ということで、最近の救急医療体制及び医師不足の問題についてちょっとテーマを移したいと思います。
 実は、私、神戸市の北区というところに住んでおりますが、北区の中核病院がございまして、いっときは北区の救急搬送の四割を受け入れていたというしっかりした総合病院でございますが、最近、産婦人科の先生がいなくなり、内科がいなくなりということで、この四月から、二次救急の輪番日のほかは午後十一時から翌朝六時までの夜間救急が休止されたという事実がございます。
 神戸市でも受け入れができなくなっているということは、全国押しなべてそういうことになっているんだろうなと。総合病院へ行っても、若手はいるけれども中堅層はいない、指導する中堅層はいない、こういった状況が続いていまして、これは相当深刻なんじゃないか。
 勤務医の待遇を本当に抜本的に変えるというようなことをまずするということが大前提だと思いますが、それは中長期的な話でございますので、目の前のことは、やはり総合病院と地元の開業医、医師会の皆さんに協力をいただいて、救急医療のネットワークをつくるですとか、そのときには、開業医のお医者さんは一人でやっているからそんな宿直に行ったらそれなりの見合うものがないとできない、それはもちろんそうでございます、そういったことに対する手当てですとか。
 あと、なかなか見落とされがちですが、この十年間で救急搬送をされた人員は五一%増加して四百八十九万人、約五百万人なんです。そのうちの半分以上が実は、軽症か中症か重症かという区別ですと軽症なんですね。
 昔は、おじいちゃん、おばあちゃんまで住んでいて、赤ちゃんが熱を出したとしても、まあまあこういう処置をしておいてあしたまで様子を見ようということでおさまっていたのが、今は、熱が出たということで当然病院に駆けつけるというようなケースが多い。これもよくわかるわけでございます。
 だから、そういったことについては、今厚労省としてもやられている赤ちゃんの、小児救急の電話相談、こういったものを充実するということが目の前の対策であるというふうに思います。
 しかし、抜本的なことを言うと、本当に医学部の定員をどうするのかとか、また私立大学の医学部の学生は年間一千万ぐらいかかるというふうに聞いておりますので、そういったところの経済負担を軽減するということをしない限り、なかなか勤務医に定着するということはできないと思うんです。そういうことをしっかりとしていく。
 相当中長期的な、また相当腹を決めた対策をしないと、医師不足による救急医療体制というのは本当に大変だなということを実感しているわけでありますが、この点について、舛添大臣、よろしくお願いいたします。

舛添国務大臣 今御指摘の医師不足、特に勤務医の問題、これは私は大臣就任以来力を注いできた問題でありまして、安心と希望の医療確保ビジョンというようなものを打ち立てまして、十一年ぶりに閣議決定を覆していただいて、医師が余っている、それを、医師が不足しているということで、医学部定員も一・五倍にする。それから、今、研修制度の見直しも文部科学省とともに制度をつくってやっております。それから、勤務医に対するさまざまな施策をとっていますし、訴訟リスクの問題についても、無過失補償制度、医療事故安全調査委員会の設置、こういうことを今やろうとしております。
 それから、今般の補正予算におきましては、短時間正規雇用を導入する病院に対して四億七千万円の経費の支援をする。それから、いわゆるメディカルクラークと呼んでいますけれども、事務作業を手伝ってくれる方々の経費の助成事業として六億八千万を入れるというようなことで取り組んでおります。
 それから、今、緊急搬送の問題がありましたけれども、これはいわゆるトリアージの問題で、兵庫県に柏原病院というのがあります。私はここを視察しましたけれども、そこのお母さんたちは、小児科を守る母親の会、だから、軽症なときにはもう自分で処置する。コンビニ受診と言っていますけれども、昼間行けばいいのを真夜中になって行くから緊急の患者が助からない。こういうことで、トリアージを家庭でやる、地域でやる、そして今委員が御指摘のような、地域のお医者さんとのネットワークを組む。江戸川区ではそのことができ上がっております。それから、例えばよその地域では、コンピューターでカルテを送る、こういうようなこともやっております。
 総合的に、中長期的な問題、目先の問題、全力を挙げて今取り組んでいるところでございますので、特にこの補正予算、一日も早く成立させていただきたいと思っております。

予算編成のあり方について



赤羽委員 最後に、予算編成のあり方についてちょっと質問したいと思うんですが、今舛添大臣から精力的な御答弁ございましたが、結局は、厚生労働省の限られた予算の中でのやりくりになります。
 きょう、本当は時間があれば小渕少子化担当大臣にもお聞きしようと思ったんですが、小渕さんも多分、新任になって、大胆に、あるべき子育ての施策というのを考えていると思いますが、なかなか、今の厚生労働省の予算の中でやらなきゃいけない、どこかをへっこめないととなると、これは大変なんですよね。児童手当も、これまで三歳児未満から小学校六年生まで段階的に拡大をしましたが、そのたびごとのやりくりも大変でした。
 これは、相当社会が変化している。今言った医師不足もその一つ。きょうは触れませんでしたけれども、環境に対する取り組みもその一つ。大きな社会の転換がなされようとしているときに、国の予算の編成は、やはり基本的には七、八月のシーリングで枠を決めて、その省庁間の壁を越えるということはなかなかできにくい。
 ですから、ぜひここは、道路特定財源が一般財源化されますから、その大きなターニングポイントの今回、来年度の予算編成において、首相特別枠というものを大幅にとっていただきたい。大胆に切り込むことは切り込む、そしてやはり政治の力で、政治のリーダーシップで、新たな日本の国のあり方がわかるような麻生政権としての予算編成をしていただきたい、私は、こう強く思うわけでございます。
 その点についての御決意を最後にお聞かせいただきまして、私の質問を終了させていただきます。

麻生内閣総理大臣 予算編成が硬直化しておる、したがって、それに対して柔軟性を持たせるべき、特にこういうような緊急事態においてはという御意見に対しては同意します。
 それに当たって対応策はいろいろあろうと思いますが、今言われたような方法を含めまして、重点配分というんですかね、傾斜配分、適当な言葉が、わかりやすい言葉があるんでしょうけれども、重点的に配分する、そういうようなことは、これは基本的に、ある程度政治力の要求されるところだと思いますので、十分検討させていただきたいと存じます。

赤羽委員 各役所は無駄なことはやっていないという前提で毎年の予算要求もしていると思いますが、そこにやはり切り込むことができるのは政治のリーダーシップだと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 以上で終わります。ありがとうございます。