“「防災庁」設置法が成立” 災害対応の司令塔担う

平時からの備えに万全期す

政府全体の防災・災害対応の司令塔となる「防災庁」の設置法が13日の参院本会議で自民、日本維新の会の与党両党と立憲民主、公明など野党の賛成多数で可決、成立した。首相を組織のトップとし、専任の防災相を配置。平時からの備えや災害発生時の対応、復旧・復興まで一貫して取り組むため、予算や人員などの体制を強化する。11月にも発足する。公明党は防災庁の設置を強力に推進してきた。

石破首相(当時、右から2人目)に提言を手渡す公明議員(当時)=25年6月 首相官邸

防災庁は内閣直属の組織とし、防災施策の基本方針策定や、大規模災害に対処するための企画立案・総合調整を担当。定員は352人で、現在の内閣府防災部門(220人)から大幅に増強する。防災相には各府省庁への勧告権を付与。各府省庁には勧告を尊重する義務を課し、政府一体で対策に取り組む。

防災相のほか、副大臣や政務官、事務方トップの事務次官も置く。本庁は、▽大規模災害への対応や訓練・人材育成を担う「災害事態対処」▽事前防災の推進などに当たる「防災計画」▽被災者の支援体制の構築や防災教育などに取り組む「地域防災」▽予算や広報を担う「総合政策」――の4部局で構成する。

本庁以外に地方機関の「防災局」を置くことも明記。南海トラフ巨大地震と日本海溝・千島海溝地震を想定し、事前防災の推進や災害発生時の被災地の支援体制づくりなどを担う。2027年度以降に2カ所設置する方針。防災人材の育成に向けた研修や研究を行う機関「防災大学校(仮称)」も設置できる。

このほか、被災者の良好な生活環境の確保を基本理念に追加した改正災害対策基本法なども可決、成立した。

■公明、提言などで後押し

公明党は自然災害の激甚化・頻発化を踏まえ、国を挙げた防災・減災対策の強化を一貫して主張。国民の命を守る災害対応の司令塔の必要性を訴えてきた。

防災庁設置を巡っては、昨年6月、石破茂首相(当時)に提言し、災害関連死ゼロを可能とする司令塔であることを基本理念に掲げるよう要請。発災時の迅速な情報共有など実効性ある体制や、専門家集団をつくる人材育成体制の構築などを要望していた。

また国会論戦を通じて、地域防災力強化に向けた自治体による具体的な災害リスク評価や事前防災の取り組みの推進などを一貫して主張していた。