荒川の治水対策 洪水リスク軽減へ

     2021年3月6日付 公明新聞より

首都・東京を流れる荒川の洪水リスクを軽減-。国土交通省は、大雨時に一時的に水をためる荒川第一調節池(埼玉県)内の貯水池から、新たに最大259平方㍍分の水を事前放流することを決定、2月19日に発表した。公明党の岡本三成衆院議員が国会質問で提案していたもので、これにより水害を防ぐ洪水対策が強化される。具体的には、同調節池内にある荒川貯水池(彩湖)を活用する。同貯水池は通常、都市用水となる水をためて渇水時に補給する役割を担っている。貯水容量は1060万立方㍍で、このうち300万立方㍍は洪水時に調節できる。今回の体制整備により、合計559万立方㍍の水を調節できるようになる。これは東京ドーム約4・5杯分に相当する水の量。同省担当者は「3日後に荒川の上流域で大雨が降ると予測されると、ポンプを使って事前放流する。既存の設備で対応できるため、追加で特別な費用がかかることはない」と説明する。同調節池の事前放流について、岡本氏は2020年11月の衆院予算委員会で、荒川上流部で整備が進められている第二、第三調節池の完成まで10年かかることから、荒川貯水池の水を事前放流して、治水の容量を増やすよう訴えた。これに対し、赤羽一嘉国交相(公明党)は「事前放流ができるよう、利水者と協定を結んで検討に入りたい」と明言していた。