| ○赤羽委員 | 公明党の赤羽一嘉でございます。
弁理士法の改正に関する法律案につきまして、二十分間でございます、端的に御質問させていただきたいと思います。 まず最初に、今のやりとりにもちょっと重なるところでございますけれども、改めて言うまでもなく、経済のグローバル化の進展に伴いまして、特許においても、自国に加え外国にも出願するケースが増加しているわけでございますが、こうした状況の中で、企業にとって複数の特許庁に対して出願し、審査を受けなければいけないという手続面また金銭面での負担、また、国によって制度や運用の差異による不利益が存在するということもよく聞くことでございます。
こういったことを解消するために、今回の法改正が国会に提出された。まさに、今大臣の御答弁にもございましたが、質、量ともに充実させるというのは非常に相反することでもあるわけでございますけれども、こういったことに取り組んでいくという、この法改正提出が政府を挙げての積極的な取り組みそのものだというふうに思っております。
そういった法改正とともに、私はやはり、ほかの、イギリスですとかドイツですとか、いわゆる知財の先進国と言われるような諸国ですと、国を挙げて支えていく、それは予算面に対してもしっかりと獲得する、こういったことが本当の意味での、先ほど大臣の御答弁の中にも何回も出てきました、知財戦略を前に進めるということにつながるのではないかというふうに思いますし、弁理士会の皆さんからもそういった要望、それは、個人のじゃなくて、国としての国益にかなうという意味での要請が届いているというふうに思っております。
そのことも踏まえまして、大臣のこれからの取り組みについての御決意と御所見を賜れればと思います。 |
| ○甘利国務大臣 | 市場は日本だけじゃないわけですね。日本の市場は人口減少の中でいわば狭くなってくるわけでありますから、世界に向けて特許を活用していかなければならないわけであります。
ただし、特許というのは、販売する市場ごとにちゃんと権利確保をしていかないといけない。そうすると、市場ごとに特許を申請して費用を払って権利を獲得するという作業をやっていったら膨大な手続と費用になります。でありますから、それを一つの手続で世界じゅうの市場に通用するようにするというのが我々の目指しているところであります。これが、いわゆる世界特許の実現ということになるわけであります。これに向けて、いろいろハードルがあるわけですね。
まず、アメリカは、先発明主義ですから、これを世界の常識の先願主義にしていかなきゃならない、これは大市場でありますから。それで、基本的な素地をつくって、今度、申請するフォーマットを統一するということ。それから、審査結果をそれぞれが活用する。つまり、日本で取れた特許に関して、アメリカで申請した場合、日本の審査結果というのを活用してもらう。それによって時間と経費を軽減させていく。それから、お互いの特許はお互いが相互承認していく。その先に世界特許という最終目標があるわけであります。
日本といたしましては、審査結果を活用して早期に審査を受けられるようにということで特許審査ハイウエーというのを標榜しておりますけれども、これを米国それから韓国との間で既に協議を開始しました。それから、英国とも七月から開始するということで合意しているところであります。
それから、進出先の国でも同じルールで特許保護が得られるように、現在、先進国間で特許法の国際調和のための条約草案の早期合意に向けた交渉を行っているところであります。
また、今開催をされておりますG8サミット、あるいは今週開催をされた日欧サミット等においても、首脳間でこうしたことについて認識を共有するということがなされているところでございまして、今後とも、特許審査ハイウエー等の各国間の審査協力の拡大であるとか特許法の国際調和の早期実現に向けて一層努力をしていく所存であります。 |
| ○赤羽委員 | 今の大臣の御答弁にもありました世界特許の実現というのは、これが大変大事な視点だというふうに思いますし、ぜひ、国際協議の中で、特許審査ハイウエーというようなものをしっかりと日本のイニシアチブでというか、甘利大臣のイニシアチブで進めていただきたいということをお願いしたいと思います。
今ちょっと、私、それも踏まえて、質、量ともに充実させる、実務修習をやるということはもう法改正に盛り込まれているわけでありますけれども、これだけではなくて、法改正が成った、そうすると来年度以降の予算要求もある、そういったことについて、国を挙げて、これは弁理士会の皆さんたちの予算だというとらまえ方じゃなくて、国家戦略の中の位置づけとして、予算編成についても必要があるところはしっかりと充実させていくという、この点についての御見解をいただきたいと思います。
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| ○甘利国務大臣 | 予算編成に当たっては、量的拡大、国家予算全体の拡大というのは財政再建上難しいわけでありますから、予算の質を高めていく、つまり、めり張りをつけるということですね。時代的な要請が終わっているものはフェードアウトしていく、これから次代を担っていくのはフェードインしてきて拡大していく、その配分の強弱というのは積極的に取り組んでいくべきものだと思います。知財戦略は重要な国家戦略の一つとして日本の発展を支えていくというものでありますから、そこにはしっかりと重点配分をしていくことが基本だというふうに思っております。
そうした考え方に従って、予算の獲得にも努力をしていきたいというふうに思っております。 |
| ○赤羽委員 | ぜひ、与党公明党としてもしっかりとサポートしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
次に、先ほども質問が出ておりましたが、中小企業における知財活動の支援ということについて言及したいと思います。 我が国の経済成長において、地域の活性化また中小企業のレベルアップというのは大変大きな課題でありまして、中小企業における知財の創造、保護、活用を促すことは極めて重要だというふうに考えておるわけでございます。
私の地元の中小企業でも、大変開発能力のあるところ、よく訪問しますと、大変使い勝手が難しいというか、ちょっとわかりにくいかもしれませんが、限られたところの開発なので、そこに特許申請をしたとしても、周辺の特許を大企業に押さえられて、結局、大変出願がしにくい。せっかくの技術が、なかなかこの特許制度を利用することができないというような実態もあるということが一つ。また、人材の問題もあって、特許出願についてのいろいろなサポートがなかなか受けられないといったような実情もございます。
また、先ほどの大臣の御答弁にもありましたが、海外向けの特許出願に関して、私の認識では、大学等の研究機関がやる場合は減免措置があるということですけれども、中小企業の場合は私は余りないというふうに聞いていたんですが、たとえあったとしても、それは非常に使い勝手が悪いというか非常に制約されている。こういったものでございまして、例えば、アメリカでは、従業員五百名以下の中小企業ですとか個人ですとか研究機関の特許申請に関しましては、自分たちが宣言するだけで手続が半額になるといった政策もあるようでございます。
私は、そういったこともちょっと踏まえて、やはり利用者が使いやすい、結局は、特許が申請され、先ほど言われました知財戦略の一翼を担っていただくということが大事だと思うんですね。ですから、使い勝手のよい制度を、もう少し現場の声を聞いていただいて、せっかくの減免措置があるんでしたら、そういったことについても少し工夫をしていただきたいというふうに思うわけでございますが、その点についての御所見を。 |
| ○甘利国務大臣 | 詳細は長官から答えさせますけれども、確かにアメリカの方が使い勝手がいい、中小企業というだけでほぼ利用できるようになっている。日本はいろいろ面倒くさくてなかなか寄りつきづらいという御指摘もいただいていることを承知しております。現場の声をできるだけしっかり聞いて使い勝手のいいようにしていきたいというふうに思っております。
詳細は長官から答えさせます。 |
| ○赤羽委員 | あと、本当は、時間があれば、特許審査の迅速化ということについても少し言及をしたかったわけでございます。
これは、二〇〇一年の十月以降、改正がされまして、出願後審査請求を行うまでの期間、七年から三年間に短縮をされた。そのことによりまして、二〇〇四年以降、審査請求件数も大変増大をして、現在、審査順番待ち時間、相変わらず二十八カ月台だということを聞いております。まさに、このところ、大変な御努力もしていただいているという認識でありますけれども、いいことだと思いますが、イノベーションが絶え間なく生まれていることによってこういった現状がある。
しかし、ここを何とか、やはり大きなハードルを乗り越えていただかなければいけないと思いますが、特許審査の迅速化について、政府としてどのような取り組みを進めていくのか、簡単に御答弁いただけますか。
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| ○中嶋政府参考人 | 端的に申しますと、今委員が御指摘になった審査請求の一時的な津波は、もう毎年のフローではピークアウトしております。ただ、ストックがまだ積み上がっておりますので、これが来年ぐらいにはピークアウトすると思いますけれども、今が一番の正念場でございます。
それを乗り切るために、任期つき審査官の増員、既に四百人採用しましたけれども、五年間で五百人を確保する。あるいは先行技術のサーチ、民でできるものは民という形でアウトソースをふやすとか、あるいは、先ほど大臣から御答弁したように、外国の特許庁とも協力をするといったようなこと。それからさらに、産業界に対しましても、いわゆる出願件数を競うということよりも中身を、選択と集中で、あらかじめ十分サーチをしていただくとか、むしろ国際出願をふやすとかいうことも含めて、産業界とも協力しながら、少しでも早く長期的な目標である二〇一三年の十一カ月に短縮できるように努めていきたいと思っております。
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| ○赤羽委員 | それでは最後に、国際化に対応した弁理士の育成についての質問に移らせていただきたいと思います。
こういった国際化に対応した弁理士を育成しなければいけないということの中から、弁理士会の皆様から、いわゆる論文式試験の条約科目の復活といった声が出ているものだ、私はそう理解をしております。先ほど、大臣の御答弁で、以前、法改正して、論文式の中の必須科目ではなくなった、これは短答式で対応している、その質の低下は認められないという審議会の報告があり、今回も復活を見送ったということであります。それはそれで一つのプロセスだと思いますが。
要するに、大事なことは、結論として、国際化になっていく、知財戦略を担っていける弁理士が、そういう国際化の力がどれだけあるかということが最終的に大事だと思うんです。試験科目を復活することが大事なのかどうなのかということじゃなくて、プロセスというより結果が大事だというふうに思っておりますので、ぜひ、今回の法改正の結果どうだったのか、現実はどうなのかということは非常に大事なことなので、しっかりと、また復活させることも否定せずに、念頭に入れながら、ちゃんとフォローをしていただきたいということが一つ。
もう一つは、どうも、特許庁の方と話をしていますと、特許庁というのは国内の特許申請についての役所であります。うがった見方をすると、海外の出願については、ややもすると、それぞれの国の特許庁の仕事だというような嫌いがあるんじゃないか。ですから、どうしても、国内の出願について責任を持った話ということの中でこういったことの復活も見送られたのではないかというような誤解も生むような余地があると思うんです。
そういうことではないというふうに思っていらっしゃると思いますし、私は、甘利大臣、この点について見識も大変深いものだというふうに理解もしておりますので、ぜひ甘利大臣のときに、知財戦略というのは、これからのアジアへのますますの経済交流拡大の中で本当に大事なことだというふうに思います。
私は、そういった意味で、弁理士という仕事がもう少しプレーアップしなければ国益にもかなわないというふうに思っておりますので、その点も含めて、国際化に対応した弁理士、国際経済社会に通用する弁理士の育成、取り組み方の御決意を最後にお聞きして、質問を終わらせていただきたいと思います。
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| ○高木大臣政務官 | 今、赤羽委員よりお話ありました復活の件だけ、一点補わせていただきたいと思います。
先ほど大臣の御答弁にもございましたとおり、そうした試験の出題方針につきましては、平成十二年に工業所有権審議会弁理士試験制度部会が取りまとめた新たな弁理士試験の具体的実施方針において示されているとおりでございます。
しかしながら、この実施方針は受験生に必ずしも広く知られていないという御指摘もございます。受験勉強の中に位置づけて取り組むべきではないかという御指摘もあることから、条約につきましての知識や解釈力への配慮が重要であることでございます、このことを省令におきまして規定することで明確化を図ることを今予定させていただいております。
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| ○甘利国務大臣 | 前段の質問、今高木政務官からも答弁をさせていただきました。
確かに、おっしゃるように、国際展開を強力にしていかなきゃならないという潮目の変更があります。それに弁理士が対応し切れるか。だから、むしろ条約とか外国法令について今まで以上にそのニーズが高まっているのではないか。その御指摘はそのとおりだと思います。
そこで、研修項目や定期研修の中にそういうところをしっかり入れていこうと。それをしっかり検証していこうと思います。そこの資質が落ちてくるようであるならば、当然対処を考えなきゃいけないと思っております。
それから、日本の特許庁も、国内のことだけを視野に置いていないで国際的展開を視野に置けと。それは全くおっしゃるとおりでありまして、もともと、知財戦略の提案というのは、私が党にいたころ、チームでまとめて、小泉内閣ができたときに、どうしてもこれをやってほしいということで提言をしたことがスタートになっているように思うのでありますが、それだけ思い入れがちょっと強いのでありますし、当時から公明党さんと連携をとりながら組み立ててきたという思いもあります。
この点に関しては、与党だけじゃなくて、民主党や他党を含めて、国が一丸となって、各党一丸となって取り組んでいただいているという地合いがちゃんとできておりますから、そこで、国際展開をしていくに当たって、日本の特許庁がそのリーダシップをとっていけるように、いろいろな仕掛けと展開をしていきたいと思っております。
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| ○赤羽委員 | どうもありがとうございました。終わります。 |
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