2007/4/23

決算行政監視委員会
○赤羽分科員

 公明党の赤羽一嘉でございます。菅大臣には大変お疲れのところ恐縮でございますが、地元の問題を中心に三十分間質問をさせていただきたいと思います。  まず、実は我が政令都市の神戸市の北区の中にある地域がございまして、その地域は、実はライフラインの上下水道とか交通機関が非常にプアな状況にある、極めて特殊な地域なんですが、そのことについて、まずちょっと御紹介をしながら、総務省だけではないんですが、関係の厚生労働省、環境省も来ていただいておりますので、質問をさせていただきたいと思います。そのやりとりを聞いて、最後に御感想なり総務省としての見解を聞きたいと思うんです。

 実は、私の神戸市北区、六甲山脈の裏側に、北区に所在するんですが、西宮市の飛び地に約五十ヘクタールの開発された地域がございまして、これは実は昭和四十四年に別荘地として許可を受けて開発された。それで、ちょっといろいろな経過がありまして、昭和五十一年から造成工事の完了検査を受けたんですけれども、その完了検査が一部不合格だった。完了検査が不合格、完了していないんだけれども、実は、五十三年の十月に、土地をもう既に買った購入者に対しましては、旧住宅地造成事業に関する法律、いわゆる住造法十三条に基づいて、神戸市が建築承認を開始したんです。それで、別荘地ということでかつて昭和四十四年に開発をどんどんしたんですが、今は四百五十世帯住んでいる、結構な住宅地になっているんですね。  ところが、住宅地でありながら、神戸市から相当離れているものですから、進入路は西宮の市道になっている。小中学校も西宮市の学校に行っている。電話は宝塚市にお願いしていて、交通手段は実は公営の交通手段はない。

 重要なライフラインである水道に関しては、これはいろいろないきさつがあって、当時は、将来、神戸市もここは水道を開発する意図はないというようなこともかつて開発事業者に言ったんですが、この開発事業者も、結果としては極めていいかげんな、実態としてはもうほとんど、存在はしているけれども機能はしていないようなところでありまして、最初は、自分たちでちっちゃなダムをつくって水道を起こしたんですけれども、水質保全なんかの問題もあって、水道も実は西宮市から分水を受けているんです。西宮市から分け与えてもらっている、それもかなり高い値段で当然分け与えてもらっている。そのオペレーションで専用水道管理組合というのを住民が自分たちでボランティアで運営をしていて、水道の供給を受けているという状況なんですね。

 そこの人たちも、かなり前から御相談を受けているんですけれども、当然、戸建て住宅ですから、年を経過するとともに高齢化してくるんですね。高齢化して、いつまでも自分たちで専用水道管理組合を維持するということはできるのか。真夜中、あるところで漏水があったというと、管理組合の責任者が飛んでいって、漏水を直さなきゃいけないとか、実際、維持管理費や技術的な問題もあるし、経費の問題もある。水道代も、西宮市からもらっているので、西宮市や神戸市の水道代の大体一・五倍ぐらいの値段を払わざるを得ない。  このまま自分たちがさらに高齢化していくと、今後どうなっていくのかと大変心配をしていて、私も地元の議員ということで何回も御相談をいただいて、神戸市ともいろいろ折衝はしているんですが、なかなか前に進まない部分もあり、神戸市もまじめに考えてはくれているんですが、この貴重な機会なので、きょうちょっと質問させていただくんです。

 まず、一つは、名前は生野高原住宅団地といって、四百五十世帯住んでいる。ただ、これはこういう過去のいきさつがあった、住宅の検査未了地だということをほとんど知らないんです。昨年の秋に、この水道問題で住民のアンケートをしたとき、検査未了地区、完了していないというのを知らない方が八六・二%だったというんですよ。全然知らなくて、環境がいいところなものだからどんどん引っ越してきて、住んでみると、水道代は高い、おまけに水道は自分たちで運営しているみたいな話。私の友人で「大阪で生まれた女」を歌ったBOROさんの御一家も、環境がいいので、スタジオを建てて住まわれているんですが、実際はもう大変なところだ、困ったということで御相談も受けているんです。

 この生野高原住宅団地というのは、現在、神戸市の給水区域外にあるんですが、神戸市の住民が四百五十世帯住んでいるわけですので、本来的にはやはり神戸市の水道事業として行うべきじゃないかというふうに思っております。ただ、地理的な問題がありますので、西宮市から分水を受けているという今の現状のまま考えていかなきゃいけないんじゃないかというのが多分妥当なんだと思うんです。

 ですから、西宮市から分水を受けながら水道事業ということを行えないか。西宮市の給水区域にするということができるようにしてあげないと、このままの形態では、もう早晩限界が来るのではないかというふうに思うんです。  きょう、厚生労働省、来ていただいていると思いますが、この点についてお願いいたします。

○山村政府参考人 お答えいたします。  生野高原住宅団地の水道は、神戸市の行政区域内に存在していますが、隣接する西宮市から水道水の分水を受ける専用水道として維持管理がなされております。  水道法上、分水は一時的なものであり、神戸市が分水を受けて継続する水道事業を行うことは適当ではないと考えております。将来的には、当該地域を神戸市の水道事業の区域に位置づけ、既存の給水区域から水道管を延伸する、西宮市の合意が得られれば、西宮市水道事業の給水区域として位置づけるなどの方法が選択肢として考え得るところでありますが、現状では、生野高原住宅団地については、地理的、地形的な条件などから、水道管を敷設して神戸市水道事業から給水を行うことは困難であると考えられており、西宮市から給水を行う方が経済的と考えられております。  今後の改善方策につきましては、生野高原住宅団地の住民の方々の意向を受けて両市の間で検討を行っていると聞いておりますので、その結論を待って、厚生労働省としても水道法の位置づけ等について適切な指導をしてまいりたいと考えております。
○赤羽分科員

 どうもありがとうございます。  現実的には今のお答えどおりだというふうに思っておるんです。  上水道からちょっと外れまして、ここの排水施設について言及したいんです。

 ここは、住民に対し、神戸市の助成制度を活用して合併処理浄化槽を設置するように指導した。下水道もやはり問題がありまして、この周辺の環境問題等々で、合併処理をする、助成金も出す、こういった制度がありますが、現在、この四百五十戸のうち約六十五戸しか設置されていないという状況にある。多分、このままですと、周辺環境上も大変大きな問題になってくるんじゃないか。今でもそういった声もあります。

 より積極的に合併処理浄化槽の設置を促進する対策を何か講ずべきだというふうに考えておりますが、このなかなか進まない理由も踏まえて、環境省からその御見解を伺いたいと思います。

○由田政府参考人 御指摘のとおり、生野高原住宅団地におきましては、助成制度を活用いたしまして、合併処理浄化槽の設置の戸数は六十五戸ということであります。  御指摘のとおり、生活排水対策は環境保全上重要でありますとともに、合併処理浄化槽はその柱の一つであると考えられております。これまでシンポジウムあるいはセミナー等の形で、各地の地域の住民あるいは市町村の関係者に対しましてその普及啓発を図ってきたところでありまして、兵庫県におきましても、平成十七年度にこのような啓発の行事も行っておるところであります。今年度におきましては、今後、環境保全団体等から浄化槽フォーラムを設立しようという話もございます。このようなことを通じまして、さらに浄化槽の普及啓発を図ってまいりたいと思います。  また、浄化槽設置整備事業につきましては、この助成制度のほかに、計画策定につきましても、それに要する費用も今年度から助成対象にしたところでありまして、引き続きまして、県を通じまして浄化槽の一層の整備について指導してまいりたいと考えております。
○赤羽分科員

 なかなか進まないのは、やはり費用の問題というようなことが多分考えられるんだろうとは思いますが、今、助成制度、計画策定に対する補助制度等々もあるようですし、ぜひ地元の兵庫県、神戸市とも連携をとって指導を進めていただきたいと重ねてお願いしたいと思います。

 排水の方には今言ったような助成制度があるんですが、実は、生野高原住宅団地の水道については、多分、余りそういったものがないのではないか。何を言いたいかといいますと、専用水道管理組合の、今、実際物すごい費用負担がかかっているわけですね。だんだん水道管自体も老朽化してきたりとかして、ますます自分たちでやらなければいけなくなる。

 ここについて神戸市といろいろ話すと、専用水道管理組合というのは、例えばマンションとか、いろいろなところに専用水道管理組合がある。この生野高原の専用水道管理組合だけ補助制度をつくるということは、なかなか大義名分が立たないというような、実は神戸市からはそういう話があるんです。しかし、私は、その考え方は逆なんじゃないかと思うんですね。

 専用水道管理組合というのは、多分、法律自体はどこかあったと思うんですが、そもそもは水道法上、寄宿舎とか社宅、療養所等における自家用の水道、そういった集合住宅みたいなところを想定してできるものであって、そういったものをあえてここでやっているということは、生野高原住宅のこの地域というのは、本来、専用水道管理組合をつくらなくていいものを、こういった極めて特殊な事情でやっているのではないか、組合を運営せざるを得ない状況があるんじゃないか。

 ですから、私は、合併処理浄化槽の設置について、計画策定の助成もあるし、設置についても助成があるというようなこともあるようですし、先ほど課長に言っていただいたように、中期的にはしっかりとしたスケジュールでやっていくというのは抜本的な対策だと思うんですが、当面、この専用水道管理組合に対して何らかの助成措置というのを講じてもおかしくないのではないかと私は思うんですが、この点について、神戸市とか兵庫県の話ではあるかもしれませんが、厚生労働省の御見解があれば。

○山村政府参考人

 お答えいたします。  厚生労働省におきましては、水道施設の新設または増設に必要な費用の一部について、水道事業を実施する地方公共団体に対して、公共事業関係予算により補助金を交付しております。したがいまして、地方公共団体ではない、住民の方々によって構成された専用水道管理組合が実施する施設整備事業に対して助成をすることは困難であると考えております。

 いずれにいたしましても、今後の生野高原団地の水道に関する改善方策につきましては、生野高原住宅団地の住民の方々の意向を受けて両市の間で検討を行っていると聞いており、両市からの相談があれば適切な助言をしてまいりたいと考えております。

○赤羽分科員

 おっしゃるとおり、国が住民の管理組合に直接というのは、それはなかなかあり得ない話だと思いますから、今御答弁いただいたように、ぜひ神戸市を通して御相談に乗っていただきたい、重ねて要望したいと思うんです。  この件について最後に総務省、総務大臣に御答弁いただければありがたいんですが、要するに、一つは、四百五十世帯というと多分二、三千名の人が住んでいる、それも政令都市の中でこういう状況がある。やはり、いきさつはいろいろあったにせよ、私は、この問題を解決する責任の一端が神戸市にあるのではないかと考えているんですね。ただ、これは神戸市だけの問題じゃなくて、西宮市から分水をもらう水道事業を進めるとなると、やはり西宮市の利害関係というのも出てくるし、これは結構簡単じゃないんですね。私たちも、西宮市にも働きかけたりしなければいけない。

 そういう西宮市と神戸市の間、これは多分、全国でもいろいろ似たような事例というのはあると思うんですが、この辺というのは、地方公共団体の話し合いがうまくいくように、多分この水道の問題は厚生労働省が一義的とはいえ、地方自治体をつかさどるという観点で、ぜひ、こういう特殊な地域が政令都市の神戸の中にもあるんだということを御認識いただいて、今後何か困ったことがあれば、神戸市、西宮市に助言、御指導をいただけるようにお願いをしたいのですが、何かあれば一言よろしくお願いします。

○菅国務大臣 実は、私もこの問題を聞いたときに、正直言ってびっくりしました。なぜ神戸市にそうした場所があるのかということは、実は考えなかったんですけれども。  ただ、いろいろな、神戸市には神戸市側の、当時、開発についての同意の条件というのがあったようでありますけれども、しかし、水道というのは、生活する上でまさに極めて最重要なライフラインであるというふうに思っておりますので、私どもとしても、この神戸市、西宮市ですか、そういう中でやはり解決をされなきゃならない問題だというふうに私自身も思っております。  神戸市においても、地域の方々の意向を十分聞きながら対処していきたいという意向であるということも伺っておりますので、私ども、総務省として何かお役に立つことがあれば、この両市の中については協力させていただきたい、こう思います。
○赤羽分科員

 どうもありがとうございます。  ぜひ、総務省、また厚生労働省、環境省、恐らく国土交通省なんかも絡んでくる話だと思いますので、連携の上、よろしくサポートのほどお願いしたいと思います。

 厚労省、もう結構でございます。環境省もありがとうございます。  次に、全然またがらっと違って、電報事業における件について質問をしたいんですが、実は、電報類似サービスを提供している特定信書便事業者からの声が最近幾つかあります。要するに、電報というと、昔は一一五という電話があって、今もあるんですけれども、それが今NTT、あとKDDIですか、NTTがほぼ独占状況にある。今、現実もそういった独占状況があって、電報類似サービスというものを提供している民間事業者からは、やはりこれはちゃんとフェアな、公平公正な競争の土俵をつくってほしいという声が実は届けられております。

 いろいろ調べますと、これは恐らく、父危篤帰れとか、いわゆる公共的な、大昔、電話がなかったような時代に、実際、その時代の名残がまだ残っているのではないか、私はこう感じるんです。我々政治家というのは、政治家だけじゃなくて世の中の人、今、この電報というのは、別に父危篤で電報を打つ人は多分ほとんどいなくて、慶弔、お葬式とか結婚式の電報を、古川さんも含めて我々皆打っていると思うんですけれども、一一五を使っている人は今ほとんどいないと思うんです。そんな採算に合わないことはできないわけですよ。いろいろ考えると、要するに小泉政権から続いている今のあれで、官から民へ、官から民へという中で、相当お目こぼしになっているんじゃないかなと率直に思っているんです。

 まず一つ目に確認したいんですが、NTTに一一五の独占使用権がいまだに与えられている理由というのは何か、御答弁をいただきたいと思います。

○森政府参考人 お答えいたします。  現在、国内電報の事業は、電気通信事業法の附則第五条というところに定めがございまして、NTT東西のみが行うことができることになっておりまして、このために一一五番というのは、国内電報受け付け用番号ということで国が指定をしておりまして、NTT東西の提供する国内電報のみが利用可能というふうになっております。  一方、御指摘の特定信書便事業者が提供するいわゆる電報類似サービスというのは、この電気通信事業法上の電報という位置づけにはなっていないので、一一五番が利用できないわけでございます。  その理由といいますのは、一一五のような、一で始まる三けたの番号、これは百個しかないわけでございますけれども、現在もう半分近く使われておりますが、非常に個数が限られておりまして、公共性とか緊急性が認められる用途等に限定し、電気通信事業者に使用を認めているというのが根本にあります。  国内電報について見ますと、国民生活における必要最低限の通信手段だという考え方でNTT東西に独占させる。NTTの、昭和六十年の競争導入、民営化に際しましてもこの部分だけは独占だということで、離島や山間地域を含めた条件不利地域も含めて全国提供を確保しているということでございまして、そうした公共性が認められるということ等を踏まえまして、一一五番の利用を認めているということでございます。
○赤羽分科員

 それは、そもそも論としてはわかるんだけれども、現状はどうなのかということを質問しているんです。  いわゆる公共性、緊急性というのは、まさに、父危篤すぐ帰れみたいな時代の話はわかるんです。しかし、今、電報の発信件数の、総務省からデータをもらいましたけれども、もはや九割以上、このグラフのはっきりした数字はわからないんだけれども、これは慶弔じゃないですか。NTTの慶弔は一一五を使えるんでしょう。民間事業者の慶弔は使えないんですよ。今の御答弁、私はやはり破綻していると思いますよ。

 全国あまねくユニバーサルサービスができないというようなこと、もう一つの多分理由があると思うけれども、しかし、それは郵政民営化で出た議論であって、私はそんなことはやはりないと思いますよ。今の六社ですか、電報類似サービスをやっている特定信書便事業者、この人たちはみんな、全国全部提供すると言っていますよ。  それで、特定信書便事業者というのは、料金的にも千一円以上というたがをはめられているんですよ。安くしたくてもできないんです。NTTのこの一一五は、そういう線は引かれていないんです。だから、今の御答弁はもたないと思いますよ、私の質問に対して。

 かつてはそうだったんでしょう。今はしかし、NTTの一一五だって九十何%慶弔なんだから、慶弔をやっているということにおいては、民間事業者がやっているのは電報類似サービスと呼んでいるわけですよ、NTTがやっているのは電報サービスと呼んでいるわけですよ、しかし実態は差がないんですよ。

 私たちが利用するときだって、慶弔のときには、NTTと何とかというのはやはり同じ土俵で考えるわけです、どこを使おうかと。だから、私は、一一五の独占をNTTがしているという理由は、もはや時代状況としてないんじゃないか。  冒頭言われた、一番台が公共性の高いものと言うのならば、今や一一六番は使われていないじゃないですか。そういうことと同じようにしないと、やはり官から民にという意味で、フェアな競争条件にしてサービスをよりよくしてもらった方が、利用者たる私たちはそっちの方が大歓迎であって、何でか知らないんだけれども、あれだけ官から民へという大きな流れの中で、ここだけは少し欠落したんじゃないか。

 当時の話は、電報事業は非常に非採算部門で、全国に運ばせているので少し保護をしているというような経緯があったというふうに聞くんだけれども、それも実はもう破綻していて、NTTの努力もあってなんだと思うんだけれども、電報の収支というのも平成十三年ぐらいからずっとプラスになっているんですよね。これは偉いんだけれども、しかし、やはりこの辺はもうフェアに民間開放した方がいいんじゃないか。

 だから、今ここで大臣に答弁しろと言ったって無理なんですが、私は、このことについてはいつも、規制改革会議のあじさいともみじとかという二回あるものに毎回提出しているんですけれども、非常にすげなくだめだと言われているんだけれども、どうも納得がいかなくて、これも菅さんの大臣のときしかできないブレークスルーだと思っているので、官から民へというのをやはり安倍政権も継承しているわけで、ぜひこの御検討をいただきたいと思うんですが、いかがですか。

○菅国務大臣 今局長から答弁したように、非常にそうした公共性とか利用者の利便性、全国くまなく、そういう形で今日まで来ているということも、ぜひこれは御理解をいただきたいというふうに思います。  ただ、今、赤羽委員からいろいろな御指摘もありました。こうしたことも踏まえまして、広く関係者の意見を聞いた上で、私どもは適切にこの番号政策というものを推進していきたい、こう考えます。
○赤羽分科員

 そんな難しい話じゃないと思うので、ぜひよろしくお願いしたいと思いますし、これをやってくれると、事業者が喜ぶのではなくて、大多数の利用者も非常に喜ぶ話だ、国会の場では少なくとも全員賛成するのではないかと思うような事案なので、よろしくお願いしたい。

 最後に、ちょっと時間がないので余り詰めた話はできないんですが、報道の自由、随分いろいろな委員会でも質問が出ているようであります。私は、もちろん、報道とか表現の自由というのは大変保障されなければいけないことだと思います。  先日のように、「あるある大事典」のようなものが、私は、何が事実で何が事実じゃないかと判断するのに国家権力が関与するということはいいことじゃないとは思いますが、あのように放送事業者みずからが捏造だったというようなことまでは、それは侵してはいけない一線を越えたから今回行政指導がされたというのは正しかったというふうに私は思っております。

 やはりマスコミの影響力というのは大変なものがありますし、これまでを振り返っても、例えばO157のときのカイワレ問題ですとかBSEの問題ですとか、相当、風評被害の原因になった要因の一つである。この辺の問題というのは発言も非常に慎重にならなきゃいけないんですが、私はそう考えておりますし、放送事業者の方に与えられている言論、表現、報道の自由というのは、当然視聴者にも同じだけのことが担保されることが必要なんじゃないか。  実は、本当に深刻な問題ではないんだけれども、去年の今ぐらいなんですが、フジテレビの「こたえてちょーだい!」か何か番組があったんです。

 最近、私は問題だと思うのは、報道番組とバラエティー番組の垣根がなくなってきて、非常にそこが世論を、私たちとしては何かちょっとおかしいんじゃないかという世論形成がされてしまっているんじゃないかということについて、どうこうしてくれというのじゃないんだけれども、そういうことが現象としてある。  この前、その番組を見ていましたら、いかに住宅ローン減税がひどい減税かというのをドラマ仕立てでやっているんです。二月ぐらいですね。どういうことかというと、結論を言うと、ようやく夫婦がためた貯金で家を買って住宅ローン減税の申請に行ったら、築年が三十年か何かだったので、築年の条件が外れていて使えない、それを初めて知って大騒ぎになった、こういうドラマだったんですよ。

 私は見ていて非常に不愉快で、築年の問題は、いろいろ議論があって、その年の四月からもう税制改正で変わるということが決まっていたわけですよ。決まっていたということが多分わかっていた、わかっていなければ相当放送事業者としてどうかと思うんだけれども、そういうことをドラマ仕立てにしていたということと、そもそも、私の個人的な意見で言うと、その制度を知らないで申し込もうとしていた御当人たちの過失については何も言わないような話はおかしいんじゃないかと思って、生番組だったんですけれども、私はディレクターに電話をしたんですよ。余りにもおかしいんじゃないかということを言ったんですが、生番組だから訂正できませんというような話があった。何か最後、テロップが流れたときに、こういう電話がありましたというようなことを言ったみたいな、はっきり聞こえないんですけれども、そういうやりとりがあった。

 私は、国土交通部会長でしたから、ちゃんとしたことを伝えてもらいたいと思ったので、フジテレビに、きのう放送の番組のビデオを見せてくれ、提供してくれと言ったら、それは絶対提供しないんですよ、テレビ局は。  私たち公明党は、結構、報道による人権侵害というようなテーマでずっと、十年前ぐらいから委員会で、当時、郵政省時代の委員会でも取り上げてきたんですけれども、要するに、訂正放送といっても何が事実かどうかと争うことができないんですよね、証拠の品がないから。自分でビデオを撮っていなきゃいけない。しかし、自分でビデオを撮るというのは、テレビがいつ何を流されるかわからなくて、流された後に知るわけですよね。だから、ほとんどビデオなんか撮れない。映像資料館というのが当然あって、だれもが閲覧できるようなことから始めないと、訂正放送を求めることというのは現実問題としてほとんど難しい。

 訂正放送というのは、放送事業者が事実かどうかを認定する権利も多分与えられていると思うので、この辺というのは、私は言論の自由とか報道の自由を制限するという発想は全くありませんが、受け手となって、それがたまたま自分のことにかかわるというケースもあり得るわけで、大臣なんかだったらなおさらそういうこともあるわけです。

 そのことについて、映像資料館というか、例えば、昔はビデオを置くスペースがないとかいろいろなことがあったんですが、今はもうCD化できるわけですから、そういったものを国立国会図書館に併設するとか、これもぜひ御検討していただけたらな、こういうふうに私は思っております。

 時間がないのですけれども、その点について、御感想で結構ですから。

○菅国務大臣 私は、例の納豆事件があったときに、やはりテレビの影響がこんなに大きいとは、正直言って思っていなかったんです。それまで、実は家計に占める納豆代というのは十一円だったんですね。放送された翌日は十九円にはね上がったんですね。しかし、その内容が捏造されたものが報道されたものですから、電波を所管する大臣として、昨年も同じようなことがあって、非常に私自身も深刻に考えました。  そして、表現の自由だとかあるいは編集の自由だ、これは当然のことであるというふうに私は思っています。そういう中で、放送事業者みずからが捏造したということを認めたもの、そして社会的に影響があるということも放送事業者が認めたものについては、やはり国民の皆さんに再発防止計画というのを約束した方が、私はこれが一番再発防止になるんじゃないかなというふうに実は思いました。  私は、予算委員会で、法的整備を検討するということを述べ、そして実際に、こういう考え方でやりたいということを民放連に申し上げました。そういう中で、民放連がみずから自主規制に今走り出している。それが機能している間は私は作動させない。しかし、やはりそういう法律をつくっておくことが国民の皆さんに正確な情報を提供するという私どもの役割じゃないかなというふうに今私は思っておりまして、今回提出をさせていただいたということであります。  そして、だれもが検証できるようにという映像資料館、これは私は一つの提言だというふうに思います。ただ、主体の問題もありますので、検討課題にさせていただきたい、こう思います。
○赤羽分科員 ありがとうございました。