2007/2/21

経済産業の基本施策に関する件  私的独占の禁止及び公正取引に関する件
○赤羽委員

 公明党の赤羽一嘉でございます。  先日の甘利大臣の所信表明演説に対する質問を、きょうは三十分でございますが、させていただきたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。

 まず、大臣、今格差について随分いろいろ論じられておりまして、その格差に対する批判の中で、小泉構造改革が格差をもたらしたという、非常に構造改革自体に対してのネガティブな御批判をされている方も少なくないわけでありますが、私はこの点について、先日の予算委員会でも申し上げておるんですけれども、それは少しおかしいのではないかと。

 バブルがはじけてこの十年間というのは、十年前、日本各地どこに行っても大変景気の展望が見えなかった。それまでは、景気循環論といって必ず景気はよくなるという考え方も成り立たないのではないか。バブルがはじけて、日本の経済は本当に深刻な状況になるのではないかと。銀行が破綻をし、証券会社も破綻をし、各企業ではリストラがどんどん進み、私の慶応大学の同級生なんかも結構、能力もそんなに低くないんですがリストラに遭って、再チャレンジができない、大変厳しい生活を強いられた。株価も額面の五十円割れをするところなんかも出てきたりして、本当にどうなるのかな。こういった状況の中で、私は、銀行の不良債権の処理を初めとする構造改革というものが進行したというふうに思っておるんですね。

 きょうの日経新聞の記事もありますが、二〇〇五年秋の段階で、過去十年に株価が額面割れ、五十円割れした三十五社のうちの二十一社が当時の最安値の十倍を超える株価に回復した。こういったことがあって、構造改革そのものは、血を流したような大変厳しい改革の側面もあったかもしれませんけれども、その段階として、十年前より今日本の状況というのは相当よくなりつつある、私はそういう実感をしております。

 ただ、その中で、構造改革の効果が先にあらわれている地域、その地域差がある。東京が最初によくなった。しかし、やはり地方都市、神戸でもまだまだなかなか、阪神大震災という特殊な事情はありましたけれども、立ちおくれているという、これも事実だと。業種でも、恐らく鉄鋼とか船舶というようなところとか自動車関係は非常によくなって、大企業だけじゃなくて下請なんかもよくなっている業種もあれば、先ほどからのやりとりでもありましたが、なかなかその効果があらわれない業種もある。もちろん、大企業と中小企業の中では、総じて言うと大企業の方が構造改革の効果が先にあらわれている。

 私は、ここは構造改革のプロセスの現象であって、構造改革そのものが間違っていたと言うことは正しくないというふうに思っておりますし、そういうことを論じるのであれば、十年前からどのような改革をすべきだったのかということをやはり示さなければいけないと思いますし、逆に、十年前の方がよかったのかと、私はそういうふうに率直に思うわけでございます。

 もちろん格差の固定というのはいけないということで、これは言うほど簡単じゃありませんけれども、この構造改革の効果をよりすそ野を広くあらわせるために、恐らく経済産業省としても、中小企業の対策ですとか地方への格差是正への施策というのは今回随分盛り込まれていると思っておるんですが、この格差論というか構造改革について、甘利大臣の率直な御所見を最初に伺いたいと思います。

○甘利国務大臣

 確かに、かつては大企業も中小企業も、都市部も地方も、全部だめだったんですね。そこから立ち上げるために、先行して牽引力になり得るものはどんどん順番を、別に全部一緒じゃなくて、早く行けるものからどんどん立ち上がっていけということが必要であった。債務、雇用、設備、この三つの過剰に大胆にメスを入れて、もちろんその痛みは出ますけれども、立ち上がれるところから立ち上がってくる。その経過では当然、みんな悪いのから、いいところと悪いものが残っているところというのはありますから、格差は一時的に拡大をすると思います。  要は、そのタイムラグをできるだけ縮めることと、それから全体を底上げさせるということが大事だというふうに思っております。  現状では、まだ地域間のばらつきは随分ありますし、企業間のばらつきもある。業種間のばらつきもある。これを、もう巡航速度に入りつつある中で置き去りにしていかないということが大事だと思いますし、それから雇用でも、若年層の非正規雇用の増加、これはいろいろな意味でよくないです。少子化対策上もいいことではないと思います。生活の見通しがつかないとやはり結婚や子供を産むことに憶病になりますから、いろいろな社会政策上のこういういびつな形を本来型に戻していかなきゃならないというふうに思っております。  そこで、地域の底上げをする、中小企業の活力を引き出す、いろいろな施策を提案させていただいております。個々に説明はせずともいいかと思いますけれども、こういう全体のパイを広げる、それから地域の底上げをする、あるいは底上げ戦略で中小企業の底上げもしていく。いろいろな合わせわざを使いながら、経済のパイも大きくする、それから格差の固定や拡大も防いでいくという総合的処方せんが必要だと思いまして、それらの関係法案を提出させていただいているところであります。

○赤羽委員

 ありがとうございます。  今大臣の御答弁にもありましたように、多分、産業界でも、やはり大企業と比べると、比較的中小企業がまだまだ立ちおくれている。そこに対する、相当多方面に目配りした施策が今回用意されているというふうにも評価をしておるし、それについて、何もやっていない、冷たい構造改革だと言うのは、やはり間違いな指摘だというふうに私は申し上げておきたいと思います。

 中小企業につきまして、一般的に言いますと、中小企業というのは、技術力があるけれども、後継人材に乏しいですとか、またマーケティングですね、販路に乏しい。ですから、いろいろ実例がありますけれども、そういったことを補完するようなアドバイスがあるとたちどころによくなっていく、こういったお話も聞いております。  先日、公明党の地域活性化推進本部というのを立ち上げておりまして、太田代表とともに、実は東京都の中小企業再生支援協議会に足を運んでまいりまして、実例、状況を聞かせていただきました。その中では、東京の協議会で完了案件が五十五件できたと。そのうちの約六割弱が実質正常先または経過観察中なるもまず不安なしというふうになったということは、極めて効率の高い仕事をしているということを実感したところでございます。

 本当に、こういったことをどんどん、銀行もだめになってから協議会に持ち込まれている例が多分多いんだと思うんですね。そうじゃなくて、もう少し、健康診断、人間も人間ドックに入るわけですから、中小企業がどうしようもない状況になる前の段階で、気軽に中小企業再生協議会なんかの相談を受けられるような形をつくるというのが、私は、経済産業省、中小企業庁として大事なのではないかと。  その一つに、例えば、訪問したときの話題にもなったんですが、中小企業再生協議会というと、そこに持ち込まれる案件はほとんど実質破綻寸前みたいなイメージがあると。何となく、再生協議会に相談に行くと危ないんじゃないかみたいな話になると。再生協議会という、何でこんな名前にしたのかなと。中小企業診断協議会とか、何となく、再生というのはいい話なんですけれども、再生の前段階で、何かネーミングみたいな話というのは非常に重要なんじゃないかということが一つ。

 もう一つは、さはさりながら、中小企業なんかですと、信金、信組とか取引先の銀行があって、そことまず相談をする。そこで、どっちかというと、金融機関は、まず、うちはなかなか難しいから再生協議会にという、こういう流れをうまくつくるような仕組みにした方がいいのではないかなということも感じました。冒頭申し上げましたが、中小企業の常日ごろからの診断というかな、少し手を加えればすごくブレークスルーした実例もあるわけですから、常に、一年に一遍とは言いませんけれども、三年に一遍ぐらいはそういうことを受けるのが当たり前の風土をつくっていくような経済産業施策をするべきではないかと私は思うんですが、この点について答弁をお願いしたいと思います。

○石毛政府参考人

 お答え申し上げます。  赤羽先生からの日ごろの健康診断ということのお話でございますけれども、まず、私どもの仕組みの中で経営指導員という制度を導入しております。全国に今九千人の経営指導員の方がいらっしゃるわけですけれども、お医者さんでいえばかかりつけのお医者さんというような感じかと思います。そういう中で、再生支援協議会は、もうちょっと専門医も配置をしたような病院、中央病院とは言わない方が適切かと思いますが、そういうような感じの病院であるというふうに思っております。  そういう中で、小さい企業への融資の窓口として、信用金庫とか信用組合とか、そういうところが非常に重要な役割を果たしているわけですけれども、御案内のとおり、信用組合、信用金庫の案件は、この再生協議会が設立された当初は余り多くありませんでした。データによりますと、平成十五年度は百一件のうち十二件だった、これは計画が策定完了した件数ですけれども、そういう状況だったわけですけれども、四年を経過しまして、かなり信金、信組の案件もふえてきている。徐々にそういう、再生協議会へ持っていくとそれなりに再生の出口が見えるんだなということが広まってきている、そういう成果だというふうに認識をしております。  それから、名前の点につきましては、確かにもっと相談しやすい、行きやすいような名前をつけたらいいんじゃないかというようなお話でございますけれども、認知度もかなり上がってきていますし、考え方としては、通称あるいは愛称だとかニックネームだとか、困った方が相談してみようかなと思われるようなそういう名前ができるのかどうか、ちょっと総合的にいろいろなことを考えてみたいというふうに思っております。

○赤羽委員

 法務省ですら法テラスとか、それがいいのかどうかは別にして、やはり経済産業省は先端を行かなければいけないなと思いますので、ぜひ、利用者の立場に立った経済産業行政をしていただきたいというふうに思っております。

 次に、中小企業に対する資金調達について、中小企業を支えるという意味ではいろいろなことがあると思いますが、やはり、資金面での調達をいかに円滑化するかということが私はすごく大事だというふうに考えております。

 企業の資金調達を考える場合に、資本をふやすために新株を発行したり、社債を発行したりという直接金融市場からの資金調達というのは、実質なかなか信用力がない中小企業にとって困難だ。ですから、銀行借り入れが中心にならざるを得ない、これが実態だと思いますが、現状、中小企業向け融資総額二百五十五兆円。そのうち、個人保証とか不動産担保に大変過度に依存をしている。中小企業自体そんなに不動産を所有しているところは少ないわけであって、限界まで抵当権をつけてしまう。結局、先行き厳しくなってくると、変な話ですけれども、最悪の手段として自殺せざるを得ないみたいな大変悲惨な状況がある。

 そういったことで、私たち公明党も、かねてより、売掛金債権なんかを使って融資制度を促進すべきじゃないか、こういった話をしてまいりました。また、今回、中小企業庁ですか、在庫も入れて、在庫と売り掛け債権などの流動資産の担保保険制度をつくる、こういったことでございますが、まず、売り掛け債権、これもそれほど期待されるほど利用されていなかったんじゃないか、こういう評価があると思うんですが、その点についてどのような分析をされているのか、まずお答えいただけますでしょうか。

○石毛政府参考人

 お答えいたします。  売り掛け債権の担保の制度でございますけれども、平成十三年の制度創設をしてから一兆一千七百六十五億円の融資の実績を上げてきて、それなりに大きな役割を果たしてきたのかなというふうに認識はしております。

 ただ、この制度ですけれども、金融機関で事務負担がかなりあるとか、あるいは、事業者の側でそういうところまで担保にとって融資を受けているのかといったような風評被害といいますか、そういうものに対する懸念といった問題、そういうようなことがあるために、もう一つ広がっていない部分があるというふうに承知をしております。

 そういうことですから、今回、動産担保まで広げるということの中で、私たちは、担保の徴求の仕方として、現在、個別の債権ごとに担保設定をしているという形になっているのを、債権全体について集合的に担保設定をする、そういうようなことで金融機関での事務負担を軽くしていく、そういうようなことも検討しております。

 アメリカの中でも、こういったようなアセットをベースにした融資というのは企業全体の融資の二割ぐらいを占めてきているようですけれども、ただ、そこに至るまで三十年の月日がかかっていることでありまして、私ども、まだこれは初期段階でございますので、これからそういう努力をして広めていきたいというふうに思っております。

○赤羽委員

 先ほど申し上げました地域活性化推進本部で、中小企業再生協議会と同時に商工中金等に行きまして、その商工中金で、動産、在庫を担保としている実例なんかの話も聞かせていただいて、その後、銀座にある、その融資を利用しているワインのお店を訪問させていただきました。

 あのとき私もいろいろ考えて感じたことは、担保に関する概念というか、これまでの担保というのは、債権者のための担保というんですかね、要するに、不履行があった場合どうやって回収するか、貸し手からの、それを取り寄せるための担保という従来の考え方だったのが、在庫なんかを担保にするということはちょっと質が違うというか、この在庫というのを担保にするということ、企業が操業、商売を続けていけば次々と創出されるという性質のものであるし、私は、そういったものを担保にするということ、融資するということは、非常にやはり金融機関側の目ききというものが問われると。

 やはり金融機関は、貸す側、貸される側で冷たい関係じゃなくて、ともにそのビジネスをうまくフォローしていこうという、私は、本来あるべき金融機関と商売人の関係に近いものができてくるのではないかなと。かつて日本というのはそういう状況だったと思うんですが。

 バブルが膨らんできたときには、要するに不動産があればすべて何でもかんでも貸していた。それが破裂して、今度は回収することしか考えない。厳しく言うと、回収した後の企業がどうなろうが関係ない。そういったマインドになっていたのを、本来、もう少し、そうじゃなくて、事業者、中小企業者と金融機関をやはりともに成長させていこうみたいな話の中で出てきた知恵の一つが、この在庫を担保にするというような話なのではないかと。大変選定とか難しいのかもしれませんけれども、大変おもしろい試みなのではないかというふうに思っておりました。

 こういったことというのはもっとやはり、売り掛け債権のときは何かどうも風評被害っぽくて、いよいよ売り掛け債権を担保にするような企業は危ないみたいな話になったらばからしいので、これも大変いい試みであるし、中小企業金融というのがこれから少しいい意味で変質していく大きなきっかけになるのではないかと私は非常に実感したんですけれども、その点について、どのようなお考えがあり、今後どのような取り組み方針を持たれているのか、お聞かせいただきたい。

○甘利国務大臣

 おっしゃるように、従来の融資形態といいますか、不動産担保主義、そこには、借り手の事業の審査をする能力も必要なければ企業とのつき合いも必要ない、とるものだけとっておけば、しかも、不動産は当時は下がるということは想定していない、とってさえおけば何があろうと関係ない、企業がうまくいこうがいくまいがこっちはとりっぱぐれがない、そういう姿勢から金融機関の本来の姿が変質してきたということはあると思うんですね。  本当は、担保なんかとらないで、貸出先の能力をちゃんと分析できる、将来性を分析できる、そういう能力を貸す側が持っていなきゃいけなかったのでありますけれども、そんな能力を持っていてもコスト高になるだけだという風評が一時あって、そういう能力が消失してしまった嫌いがある。金融機関は、本来の姿に戻るべきだと思います。  そういう中で、いろいろなルートを持っている、もちろん担保もゼロというわけにはなかなかいかない。不動産も時には必要でありましょうし、余裕のあるところについてはそれを出すというのもあります。動産担保、在庫の担保、あるいは、評判が悪いとおっしゃいましたけれども、売り掛け債権も含めていろいろな手だてが何本もある、その中から組み合わせでいろいろチョイスすることができるというのが正しい形で、その原点には、やはり、貸す先の企業の現状と将来性を分析する、あるいは経営能力を分析する能力が前提だというふうに思っております。

○赤羽委員

 またこれに関連して、商工中金が今回民営化される、法案も提出される予定になっておるわけでありますが、この商工中金というのは、私も、地元の中小企業の経営者、ユース会の人たちなんかと話していますと、やはり特殊な関係性というか、中小企業者と商工中金の関係というのはある意味ではすごくいい関係性というか、まさに貸す側、借りる側だけじゃなくて、お互いに企業を育てていこうといういい側面があると思うんです。

 これが、しかし、五年から七年の移行措置があるとはいえ、民営化される、大変制約を受けながら厳しい競争にさらされる。こういう中で、本当に、せっかく商工中金、今言いました流動資産を担保にする保険制度なんかを先駆けてやろうとしているところで、この民営化問題が商工中金の機能を後退させるようなことがあっては大変大きな損失だというふうに私は実感をするんですが、この点について、取り組みの御決意になるかと思いますが、大臣の御決意を聞かせてください。

○甘利国務大臣

 経済財政諮問会議で民間委員と私とちょっとドンパチをやりましたけれども、商工中金の民営化に向けてのプロセスはもうコンクリートしているんですね。こういうふうな手だてでこういうふうにいきますというのも決まって、法案も出す、だから、もう議論をすることではないんです、粛々とそれを進めていくということなんですが、諮問会議の中で民間委員の方は、もう一度リセットしたいという思いを述べられたので、私の方から、これはもう全部決まった話で法案も出るじゃないですかということで、少しドンパチがあったわけであります。

 要は、商工中金は中小企業金融としてのノウハウを持っているわけであります。そのノウハウが完全民営化した後もしっかり生かされるようにしていかなきゃいけない。こっちの方がもうかりそうだからといって、中小企業から手を抜いて大企業にシフトしていくということがあっては困るのでありまして、そこで、株主保有制限もかけて、中小企業金融として生きてもらう。

 それには、今までの蓄積したノウハウをフル稼働してもらう。もちろん、財務体質も、今のまま政府出資を引き揚げたら、もう完全に四%を自己資本比率が切っちゃうわけでありまして、業務改善命令が出ちゃうような事態になりますから、そこは自己資本比率の充実も含めてちゃんと手当てをしてあげなければいけないと思っていますし、そういう前提のもとに、中小企業金融として、今まで培ったノウハウをフル稼働して、中小企業とともに歩む金融機関として、完全民営化への道筋をきちっとしていきたいというふうに思っております。

○赤羽委員

 よろしくお願いしたいと思います。  中小企業というのは、やはり資金面のサポート、またコンサルティングみたいなこと、あと人材の支援みたいなことが大事だというふうに思っておりますので、また行く行く議論したいと思います。  もう残りわずかなんですが、今回予算措置されていますアジア人財資金構想について、余り深く触れられないかと思うんですが、二、三確認をしておきたいと思います。

 このアジア人財資金構想という、この経産省が出した本も読ませていただきました。アジアの優秀な人材を留学生として日本に招き、日本での就職や現地の日系企業への就職を支援すると。現状は、高度な能力のある外国人が日本企業でどれだけ活躍しているかというのは大変低い数字だと。これはよくわかるんですが、私も三井物産で中国に駐在をしていて、大変優秀な人材がいるし、北京大学とか清華大学の学生が外国企業に就職をしたがる。しかし、その中で日本企業に就職する率というのは非常に低いんです。

 それはなぜかというと、やはり一つは日本企業の文化というか、北京支店長になれるわけじゃない、やはり結局は日本企業が使いやすいところだけ使う、生涯の働き場所というか、自分の能力を大いに発揮できる働き場所にならない、見合うペイメントも低い、こういったことがあって、外国人が日本企業に就職できないというのは実はそういったことが大きいんじゃないか。

 だから、このアジア人財資金構想を打ち上げるについて、まず、日本の経済界がどれだけ協力するのか。協力するというより、まずそもそも、こういった構想が経済界から出ている声なのかどうかということがないと、なかなかうまくいかないんじゃないかなというのが一つ。

 一方で、そこをクリアした上で、では、どれだけ優秀な人物を日本に引っ張ってこられるか。要するに日本版フルブライト奨学金を目指すというようなことが書いてありますけれども、やはりそれは、例えばアメリカには優秀な大学があり、そこに行けば非常にキャリアアップできるからということでみんな行くわけで、山本先生だってそうやってアメリカに行かれたわけでしょうから。世界じゅうの優秀な人間が日本の大学に来るかという、受け入れる教育機関というか、そこがないと、奨学金とかをつくってもそれは絵にかいたもちになるのではないか。  この二つを、ちょっとどう整理するのかというのは大事な問題であると思いますし、初年度千人というような視点もありますが、私は、極めて優秀な人間を少数集めて、もう丸抱えで集めて、十人でもいいから、はっきりした功績を残せるような構想にした方がいいのではないかという気がするのですが、ちょっともう時間も参りましたので、この点について、後の委員会でも議論をしたいと思いますが、私のその最初の二つの視点について簡単にお答えをいただいて、終わりにしたいと思います。

○山本(幸)副大臣 先生のおっしゃるとおりだと私も思います。  そこで、ぜひ経済界の方々に少し頭を転換してもらって、やはり、優秀な外国人の人材をトップまで、特に現地なんかでは、そこまで育てるんだというような気持ちにぜひなってもらいたいと思っております。そういう意味で、働きかけていきたいと思います。  それから、大学のレベルも、ぜひ、留学生に魅力のあるように上げてもらわなきゃいけませんし、これは文部科学省と今一緒に連携しておるわけでありまして、奨学金の額はそれ自体はかなり高い額でありまして遜色ないというふうに思っておりますが、それと、企業にちゃんと将来のキャリアが築けるというようにつなげていきたいと思っておりまして、ぜひ先生の意を体して働きかけていきたいと思っております。
○赤羽委員 どうもありがとうございました。