2007/3/01

政府関係機関予算中厚生労働省所管について
○赤羽分科員

 公明党の赤羽一嘉でございます。  まず、昨日は、早朝から夜九時まで、柳澤大臣、石田副大臣、また委員長初め関係者の皆様も、大変お疲れさまでございました。きょうも早朝からの質疑ということで大変恐縮でございますが、三十分の短い時間でございますけれども、しっかりと議論させていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。  まず、私は、社会保険病院のことについて質問させていただきたいと思います。

 実は、私が住んでおります神戸市北区に社会保険神戸中央病院という病院がございます。このことで、最近地元の方からもメールですとか電話の問い合わせが大変多くあります。この病院がなくなってしまうのかということを大変心配されている声が私のところにも数多く寄せられております。  何事かということで調べておりますと、この病院の健康保険病院労働組合神戸支部という組合の方々が、要するに、この病院が存続するのか、それとも民間経営に売却されるのか、いよいよこの三月末に厚生労働省が発表する、こういったビラを、きょうも持ってきていますけれども、大量に配布しております。

 また、共産党も、恐らく連動する形で、厚生労働省は社会保険病院を整理合理化しようとしています、地域にとってかけがえのない社会保険中央病院をつぶすな、こういったスローガンのもとに連続して集中的に署名活動を行っており、今回の統一地方選挙で出馬予定の共産党の候補のブログ、きょうもコピーを持ってきていますけれども、このブログにもそのようなことがるる書いてあり、そしてその中で、投稿者の声ということで「今度の選挙で、みんなで共産党を大きく伸ばし、」「社会保険神戸中央病院をともに守りましょう」、こういったことが扇動されているという事実がわかりました。

 まず、そもそも論として、この社会保険病院の問題というのは、社会保険庁のいわゆる一連の問題の中で、経営健全化もしなければいけない、それは皆さんの保険料が投入されているのだからしっかりとした運営をしなければいけない、当然地域の医療機関としてその使命を果たさなければいけないということで、平成十四年に社会保険病院の改革案というのが提案され、そして十五年から三年間かけてそれぞれの経営収支改善努力をするべしということを政府・与党で決定したという認識で私はおります。

 この前段として、それまでの経営状態がいかに放漫であったかとか、そういったことは全く彼らの主張には書いていないんですね。大変いい病院を厚生労働省や政府・与党がつぶしにかかっているというようなことを、極めて悪意に満ちた、ミスリーディングさせるようなことをあおって、そして今こそというような話をしているというのは、私は余りにもいかがなものかということを感じているわけであります。

 まず確認をさせていただきたいのは、この社会保険神戸中央病院の、当時、平成十四年までの経営収支状況はどうだったのか、そして政府のこの経営合理化案というか経営改善策の指示が出た後の十五年から十七年の経営改善状況はどうなのかということを、まず事実としてお示ししていただきたいと思いますが、よろしくお願いいたします。

○青柳政府参考人

 社会保険病院についてお尋ねがございました。  ただいま議員の御紹介にもございましたように、平成十四年の十二月に策定をいたしました「社会保険病院の在り方の見直しについて」という厚生労働省の方針に基づきまして、施設整備を含め基本的には個々の病院の責任において運営するという考え方に立ちまして、平成十五年度を初年度といたします三カ年の経営改善計画を策定し、経営改善に取り組んでいるというところでございます。

 まず、社会保険神戸中央病院の経営改善前の平成十四年度の状況を見てみますと、単年度収支が二億八千万円の赤字、それから累積で七千万円の黒字という状況でございました。

 これに対しまして、経営改善計画を策定した平成十五年度以降について状況を見てみますと、まず建物等の更新費用として毎年度各三億二千万円を別途積み立てた上で、平成十五年度六千万円、平成十六年度四千万円、平成十七年度一億七千万円、それぞれ単年度の黒字が生まれております。また、この結果、累積でも三億三千万円の黒字となっている状況にございます。

○赤羽分科員

 ありがとうございます。  今の答弁でも明らかなように、この社会保険神戸中央病院も、他の五十幾つかの病院と同じように、平成十四年までの経営状況は二億八千万円の大変な赤字を単年度で出していた、それが三年間で、それなりの恐らく合理化ですとか人件費の削減といったものがとられたのだと思いますが、黒字化をしているという状況が明らかになったと思うわけでございます。

 このことについて、今回、ただビラを配っているとかだけではなくて、請願、要請趣旨というような厚生労働大臣あて、内閣総理大臣あてのペーパーも出しておりますし、また加えて、厚生労働大臣あて、社会保険庁長官あてということでこういったはがきまでつくって、相当組織的に大量に運動を展開されているわけですね。

 これは私は、何か具体的な根拠があるのなら、こういった運動は民主主義の社会ですから認められているのは当然だというふうにも考えておりますけれども、現時点で神戸中央病院に対して厚生労働省の方針が何か定まっているのか、社会保険庁としてどうするということが決まっているのかどうか、そのことについても確認させていただきたいと思います。

○青柳政府参考人

 まず、結論から申し上げますと、社会保険神戸中央病院の今後の取り扱いについて、具体的に決定したものはございません。  現在までのところ、社会保険病院につきましては、先ほど申し上げました「社会保険病院の在り方の見直しについて」という方針に基づきまして、今後施設整備に保険料は投入しない、これははっきりしておりますし、また、経営改善を図った後に整理合理化を行うということはすべての社会保険病院共通の問題として定まっている方針でございます。

 また、これに加えまして、平成十七年に、年金改正の際に議論が起こりました年金や健康保険等の福祉施設の取り扱いに絡みまして、独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法案というものを成立していただきました。この審議時に、衆議院の厚生労働委員会の附帯決議におきまして、地域の医療体制を損なうことがないよう、厚生年金病院の整理合理化を進めるということが与野党一致で決められております。この御方針、考え方は社会保険病院についてもこれと平仄を合わせていくべきものというふうに認識をしております。

 このため、これらの病院が現に地域において果たしている役割をどのように維持していくかということもきちんと念頭に置いて、各方面の御意見を踏まえながら整理合理化を進めていく必要があると認識しております。

○赤羽分科員

 ありがとうございます。  今の御答弁にもありましたように、政府は、こういった国会での審議、地域の医療体制を損なわないということを大前提にしながら、そしてまた、かつ社会保険庁改革の中で、保険料の使い道についての真摯な改革の中で今まじめに取り組んでいる。そして、現時点では何も決定したことはないという状況にもかかわらず、こういった大々的なことを仕掛ける。

 私は、ここであえて取り上げるのは、一度目じゃないんですよ。選挙のたびに行う、まさにマッチポンプなんですね。これで一番迷惑を受けているのは、そこに通院されている患者さんだったり、入院患者さんなわけでして、大変心配をしている。こういった人たちの不安をあおるだけあおっておいて、そして選挙のたびにいつもこういった運動を持ち出すというのは、私は言語道断だと。当然その中で組合活動は保障されるべきかもしれませんが、病院の中からこういった発信が出されるということは、私は大変おかしな話ではないかというふうに言わざるを得ない。

 当然、病院の中で、そこに通っている患者さん、入院されている方たちが大変な不安を感じているわけですから、ぜひ病院内から、そのようなことはまだ何も確定していないということや、また地域医療の体制を損なわないという大方針の中で社会保険病院の改革は進められているというような正しいメッセージを、私は丁寧に伝えるべきではないか。

 これは、実は、社会保険病院だけではなくて、厚生年金病院の中でも同じような動きがあるんです。別に神戸だけの問題ではなくて、全国的な問題として仕掛けられているということについて、私は、ここはきっちりとした姿勢を見せることが大事だ、それこそまさに社会保険庁改革のまじめな姿をゆがめるようなことについて断固とした態度で臨むことが大事だというふうに思いますが、その点について御答弁いただければと思います。

○石田副大臣

 今委員もいろいろと御指摘をいただきましたけれども、社会保険病院及び厚生年金病院の整理合理化に当たっては、地域の医療体制を損なうことがないよう、これらの病院が現に地域において果たしている役割をどのように維持していくか、こういう観点を念頭に置きながら検討を進めていくことが私は必要である、このように考えておりまして、できるだけ早く整理合理化計画を取りまとめてまいりたいと思っております。

 また、これら病院の整理合理化計画の取りまとめに当たっては、病院を利用される地域住民の方々に不安を生じさせることのないよう、十分に配慮していかなきゃいけないと思っております。

 また、これは所感ということになるかもしれませんけれども、今委員と社会保険庁とのやりとりを聞いておりまして、まだ何も決まっていないものを前提にいたずらに不安をあおるというのはこれはいかがなものか、こういうように私は思いますし、年金、介護、医療、こういう社会保障体制、こういう問題については、間違っても、選挙に利用するだとか、また、ほかの方向に、政争の具にするとか、こういうことは私はあってはならない、こういうふうに考えております。

○赤羽分科員

 力強い御答弁、本当にありがとうございます。まさに国民不在の、選挙戦に利用するなんというのは言語道断だということを重ねて申し上げておきたいと思います。

 次に、BSEの検査問題について質問をさせていただきたいと思います。  私、毎回大臣がかわるたびにこの問題を取り上げておりまして、ある意味では相当マニアックなところもありますので、大臣、御答弁は結構ですので、よくやりとりを聞いていただけたらというふうに思います。  まず、日本で国内初のBSEが発生をした直後に、全頭検査というものをとりました。これは、ある意味では、多分、厚生労働省も最初は、世界じゅうのスタンダードで三十カ月以上とか二十四カ月以上の検査でいいというふうに考えていたと思うんですが、そこはある意味では政治的な配慮の中で、初めての出来事に対するパニックをおさめるという意味で全頭検査をとられた。これはそういう意味では大変意味があったというふうに、そう評価をしております。

 以来、この間大変な検査を重ねられてきて、そして数年前に、何百万頭検査した結果、ある意味でのガイドラインが出てきた。日本では二十一カ月加齢、二十三カ月加齢という感染しているのではないかという悪性プリオンが発見されたということで、二十一カ月加齢以上の牛は検査をする、二十カ月以下はフリーにする、こういった制度に変えられたわけでございます。

 この点でまず考えたいんですが、過去に二十一カ月、二十三カ月という、はっきり言うと世界でも極めて例の本当に少ない、BSEの感染牛というのは全世界で二十万頭程度発見されておりますが、この二十一カ月レベルというのはもう本当に、この日本の一例しかないとも言われておりますし、言っても一、二例、三例ぐらいだというふうに思っております。

 私がお聞きしたいのは、二十一カ月が出た、だから、二十カ月以下はフリーだけれども二十一カ月は検査をする、こういったことは、今後、そのガイドラインというのは厳に変わらないのかどうかということをまず確認したいと思うんです。

 といいますのは、あわせてお聞きしたいんですが、全頭検査というと、我々素人は全部検査しているから安全だ、こういうふうに考える方が大半だと思うんですが、しかし、いろいろな文献を読んでおりまして、食品安全委員会の座長の先生ですとか、OIEの先生方の話をしますと、要するに、今日本でやられている検査というのは、BSEの発症三カ月から六カ月前にならないと陽性反応が出ない、これは変なことを言うようですけれども、ある意味では、感染した牛でもそのテストにひっかからないケースもかなりの程度あるということを言われている先生たちもいらっしゃいます。

 この全頭検査そのものも、実は冷静に言えば限界性がある、そういった意味の限界性があるのではないかということについての厚労省としての御見解と、また、加えて、二十一カ月以上という今のガイドライン、永遠に続ける意向なのか。そうでなくて、それをどういう状況であったらどう変えていくという、どういうシナリオを持たれているのかということを確認させていただきたいと思います。

○藤崎政府参考人

 お答え申し上げます。  BSEの診断につきましては、牛の延髄かんぬき部の異常プリオンたんぱく質を検出することによって行っておりまして、我が国や欧米では、高感度のELISA法を用いてスクリーニング検査を行っているところでございます。したがって、検査の感度はELISA法の検出限界に依存しておるということでございまして、これを超える異常プリオンたんぱく質を含む牛についてBSE陽性の診断が可能である、こういうことでございます。

 そして、平成十七年五月に取りまとめられました、食品安全委員会の「我が国における牛海綿状脳症(BSE)対策に係る食品健康影響評価」におきましては、科学雑誌ネーチャーに掲載された論文を根拠に、現在行われているBSEスクリーニング検査の検出限界を約一mi・c・LD五〇としているところでございます。

 さらに、国内の状況に関して申し上げますならば、今申し上げました食品安全委員会の中間評価、平成十六年九月に取りまとめられました日本におけるBSE対策についてでございますが、これにつきましては、迅速検査により検出可能な月齢として、「我が国では、と畜場においてこれまでに約三百五十万頭の牛を検査した結果確認された九頭のBSE感染牛のうち、二十一、二十三カ月齢の若齢のBSE感染牛が確認された。ただし、ウエスタンブロット法で調べた結果では、これらの例の延髄閂部に含まれる異常プリオンたん白質の量は、我が国で確認されたその他のBSE感染例に比べ少なく、五百分の一から一千分の一と推定されている。このことから、二十カ月齢以下の感染牛を現在の検出感度の検査法によって発見することは困難であると考えられる。」とされております。これが食品安全委員会の見解でございますが、これは現時点では、二十一月齢以上の検査をすることは、ある意味で裏っ返しで必要であるということと私ども理解をいたしております。

 今後はどのレベルまでの検査が必要か、その点につきましては、科学的な知見、あるいは検査データの蓄積、新たな情報その他を勘案しながら、リスク管理機関としても、食品安全委員会の御意見を伺いながら判断していくことになろうかと考えております。

○赤羽分科員

 ありがとうございます。  今の御答弁でもう一度確認したいのは、全頭検査については限界性がある、ですから、感染した牛でも発見できないケースもあるということが答弁だったと思います。加えて、いわゆる世界で極めてまれな若齢牛の感染につきまして、その発見された悪性プリオンの量は、他の感染牛に比べると五百分の一から千分の一という極めて微量であったといったことも今御報告があったというふうに思います。

 そこで、この委員会でもかつて議論になりましたが、この二十一カ月、二十三カ月の悪性プリオンに感染性があるのかないのか。かつて他の議員が、必要条件と十分条件なんだ、悪性プリオンというのは発見されたのは必要条件で、それが感染性があるのかないのかといったことはどうなんだということに対して、厚労省は、マウステストを行っている、こういう御答弁がございました。  それで、食品安全委員会の議事録とかを見ておりますと、吉川先生ですか、座長を初めいろいろな方が、このマウステストの報告がやはり大事だと。吉川座長が、これは一昨年十一月二日の食品安全委員会の中で、座長の御発言で、「二十一、二十三カ月に関しては、今回もそうですし、国内見直しのときにもあれをどう評価するかという問題はいつも引っかかってきていて、異常プリオンの蓄積が見られたことは事実だと思うんです。それが生物学的にどういうものであったのかというのは、できるだけ早い機会に動物衛生研究所から、親委員会でも、専門調査会でもいいので、途中経過であっても、正確な情報提供をいただきたいと私も考えております。」こういった同様の発言が、他の委員からも随分出ているんです。

 このマウステストというのは、普通、世界じゅうで、大体一年経過すると、その結果陰性か陽性かというのを発表されているんですよ。しかし、このことについて、私の知る限りもう三年以上経過しているのに何ら発表されないというのは、どういうことなのか。何のためにこのマウステストをしているのかということを大変疑問に感じているんですが、この点について、なぜ発表がされていないのか。そして私は、当然通告もしておりますし、わかっているはずなんですよ、現在の状況、現段階でこのマウステストの陽性が出たのかどうか、それについてお答えをいただきたいと思います。

○藤崎政府参考人

 お答えいたします。  まず、この研究といいましょうか実験といいましょうか、それの性状でございますが、今先生御指摘のとおり、我が国で確認されました二十一カ月齢及び二十三カ月齢のBSE感染牛について、非常に異常プリオンたんぱく質が少なかったということでございます。このために、伝達性を含む生物学的な性状解析などの研究に用いる材料を得るために、独立行政法人農業生物系特定産業技術研究機構動物衛生研究所において、異常プリオンたんぱく質をマウスに接種し、増幅を試みているものであるというふうに承知しております。これは厚生労働科学研究でやっております。

 そういうことで位置づけてございますが、これにつきまして発表がされていないのではないかという先生の御質問でございます。  これにつきましては、その方法及び途中経過は厚生労働科学研究事業の報告書として取りまとめられておりまして、公表されているというところでございます。これがどこまで幅広く知られているかという問題はあろうかと思いますが、これは研究報告として公表を、途中経過でございますがさせていただいております。

 そして、平成十七年度の研究報告書におきましては、牛プリオンたんぱく質過発現トランスジェニックマウスということで、比較的発現しやすいマウスを使っておりますが、このプリオンの増幅試験の経過について報告されておりますが、その時点では増幅は認められていないというところでございます。

○赤羽分科員

 三年たった今、マウステストで陽性が認められていない。これはいつ発表するんですか。これはただでやっているわけじゃないですよね、税金が投入されているわけですよ。非常にこれを引っ張っていっている。

 だから、随分、食品安全委員会の座長ですら決着をつけるべきだというようなことがあって、これは多分、マウスですから、一代、子の代、孫の代とか正確なことは何にもつまびらかじゃないのでよくわからないんだけれども、それは終わっているはずなんですよ。何か出るまでやるみたいな実験をしているんですか。そうじゃないでしょう。三年たったら、私はもう十分、このマウステストとしては陰性だったということをやはり報告するべき、それが科学的な態度なんじゃないかと思うんですが、その点について厚労省の御見解を。

○藤崎政府参考人

 お答えいたします。  この研究の目的が、一つは伝達性の性状というものを、どのぐらい感染していくのかという、感染といいますか伝達するのかということを見ていくという部分と、それからこの二十一月齢、二十三月齢という比較的珍しいケースのプリオンの生物学的性状を詳しく研究していくという側面がございまして、後者の面からは、可能な限りその増幅をさせて材料を得たいということがございます。

 ただ、前者の方につきましては、その時々の段階におきまして、どれぐらいの経過で接種をして、どういう結果になったのかということは一つ明らかになると思いますので、これにつきましては、私も直接今の食品安全委員会からの要請というものを具体的に承知はしておりませんでしたが、そういう研究報告として公になっているものでありますし、御要望があればそういうことについての御説明というのは可能なのではないかというふうに考えております。

 また、いつまで研究をするのかということにつきましては、研究者の方のその研究目的あるいは合理性、こういうものを判断しながら、私どもとしてはプリオンの研究全体の進捗というものにも資したいと考えておりますので、そういうことも考えながら検討してまいりたいというふうに思っております。

○赤羽分科員

 この場というのは学術の議論をしているわけじゃなくて、行政のあり方ということを議論しているわけでして、私は、行政所管庁として、行政の措置として何らかの判断というのはあってしかるべきだというふうに思います。

 加えて、私は、この二十一カ月、二十三カ月という極めて特異な例、一つは、その量も五百分の一から千分の一という微量だったということや、伝達性も、もう恐らく陽性ではないんですよ、伝達、感染性がないということが判断されたという前提の中でどのような検査体制をとるのかということを考えてしかるべきだということを主張したいと思います。

 それで、ちょっと話が変わって、実は私、こういう何カ月以上ということの今話をしましたが、そういう何カ月以上というのは実は余り意味がないと私は持論でかねてから申し上げております。月齢で危険性がどうなるかということではなくて、私は今こそ、世界じゅうで認知されているように、特定危険部位と称するところがクリーンカットされているかどうか、フグでいうと、肝がちゃんと取られていれば食することができる、それと同じように、牛の場合も、特定危険部位と言われるSRMというところをしっかりクリーンカットされているかどうかということが非常に大事だと思いますし、もう一つは、やはりえさの問題、えさの管理がどうかということなんです。

 これは、二〇〇一年の十月から肉骨粉のことについてきっちりとした体制がとられ、先ほどの特定危険部位の除去についても、屠畜場の分離とか、それは相当な勢いで厚生労働省の指導でやられているはずなんですね。こういったことの効果が出ているはずなんです。二〇〇一年十月以降、飼料規制された以降、感染牛が発見された例というのは、私は、この二十一カ月、二十三カ月の若齢牛を除くと二十頭ぐらい出ていると思いますが、すべてえさ規制の前の段階で生まれた牛ばかりだというふうに思いますが、この事実の確認をお願いしたいと思います

○藤崎政府参考人  お答えいたします。  先生御指摘のとおりでございます。
○赤羽分科員

 もちろん、えさ規制をした後感染牛が発見されたというのはヨーロッパなんかでは結構あるので、ここだけでは何とも言えませんけれども、私は、BSEに対するリスク管理体制というのは二〇〇一年の段階と今の時点では数段進歩しているというのは明らかであるし、それはこれだけの予算を投じているから、そういう意味では当たり前、そうなっていなければいけない、その評価というか、効果は明確にあらわれている。

 しかし、緊急措置でやった全頭検査体制というのは、現実的に今もまだ引っ張ってやっているということなんですよ。二十一カ月以上でいいと言いながら、地方自治体がこれまでの流れの中で全頭検査を続ける、そこに補助金を出しているわけですよ。私は、そういうことについては、鳥インフルエンザとかコイヘルペスですとかいろいろな問題が出ている中で、このBSEの問題について、余りにも予算と人件費という労力を使って本当の危機管理体制に支障が生じてしまうような、行政のバランスを欠くということは大変問題だというふうにすごく考えているわけです。

 ですから、全頭体制、全頭検査をやって、二〇〇一年からですからもう五、六年になるわけですし、えさの規制、屠畜場の規制も随分進歩しているわけですし、私は、日本国民の中でBSEに対するショッキングな部分というのは相当冷静になっていると思いますので、今こそ本当の食の安全ということはどういう形で担保できるのかということを、世界のスタンダードとも当然見比べながら、適正な特定危険部位の除去とえさのあり方、こういったことについて、そういう新しい安全性を確立することを強く期待したいと思いますが、ここで答弁を求めるとまたあれですけれども、ぜひよろしくお願いしたいと思います。  最後に、もう限られた時間ですが、一点だけ、中国残留邦人問題について、大臣の御決意を聞かせていただきたいんです。

 私も神戸なものですから、神戸地裁の、勝訴した原告の方々とこの前もお会いいたしました。中国では校長先生をやっていた女性が、日本に来ると、日本語もしゃべれないし、生活保護に甘んじなければいけない。やはり尊厳という問題が一番大きいなということを大変強く感じました。  私の父親は、実は戦時中に満蒙青年開拓軍で黒竜江省に行っておりまして、ややもすると、まさに大地の子になりかかったという、本当に実は身近な家族のそばにある問題であって、そういったことを勘案して、私は、安倍総理も、法律、裁判の問題ではなく、それを超えて新しい支援体制をつくるべしということを表明され、柳澤大臣にその使命を託されたんだと思います。

 今、生活保護の段階というのは実は医療扶助とか住宅扶助があって、そこよりレベルが落ちる新しい体制になってしまっては余り意味がないと思うんですね。ですから、中国残留邦人の皆さんの尊厳を尊重しながら、そして、それに見合うだけの対応、体制をぜひとっていただきたいということについて御決意をいただき、質問を終わらせていただきます。

○柳澤国務大臣

 今、赤羽委員のおっしゃるとおり、去る一月の三十日に東京地裁の判決がありまして、その判決自体は国側勝訴ということでありましたけれども、その機会に総理から御指示をいただきました。法律問題や裁判の結果は別として、中国残留邦人の方々への支援のあり方について、誠意を持って対応するように指示する、こういうのが御趣旨でございました。

 これを受けまして、私も、総理と官邸でお会いになった方々と引き続いてお会いして実情を聞きましたが、その後もまた一度、今度は別のグループの方々ともお会いして、生活の実情を聞かせていただいた次第です。それやこれやで、今まさに委員の御指摘になられたような、尊厳の問題ということをこもごもにお触れになられることが多くて、その辺に問題があるということを感じておる次第でございます。

 いずれにいたしましても、この問題、総理がおっしゃられたように、法律問題や裁判の結果は別としてということが一つございます。それからもう一つは、中国残留邦人の方々の実情をよく聞くように、これが一つございます。それから、それを厚生省部内で検討するということになると、どうしても行政の連続性みたいなことに縛られるということを総理がおもんぱかってくれたのかどうか、そこははっきりはしませんが、いずれにしても、第三者的な有識者の方の御意見も聞くべきだ、こういう御指示もいただいています。

 さらに、与党にPTがありまして、委員もその御一員かと思いますが、そういうところで、かなり専門的に、既に意見の積み重ねがございます。しかし、それは一たん出発点に戻しまして、新しい措置を考えていこう、こういうことでございますので、私どもとしては、そういう手順を踏みまして、できるだけ残留邦人の方々の実情にフィットした、適合した措置を考えていきたい、それもできるだけ早く考えていきたい、このように考えている次第でございます。

○赤羽分科員

 どうもありがとうございました。終わります。