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耐震改修促進法改正案 赤羽国交部会長に聞く 予算確保、税制改正を後押し 指示に従わない特定建築物を公表
住宅に指導、助言も 公明が推進 地震による被害を減らそうと、建物の耐震改修を緊急に促進させる「耐震改修促進法改正案」がきょう20日、衆院を通過する見通しです。そこで同改正案のポイントや公明党の取り組みなどについて、赤羽一嘉国土交通部会長(衆院議員)に聞きました。
――耐震改修促進法を改正する背景は。 10年前の阪神・淡路大震災のとき、私は発生直後から被災現場で被災者の救済に没頭しましたが、つぶれた家屋のすき間から腕が見え、声が聞こえていても、機材がなくて助けることができなかったことほど無念なことはありませんでした。
この震災による死者の約9割が住宅の倒壊などによる圧迫死だったことから、現行法が制定されました。しかしながら、耐震化が大事だとは分かっていても、実際には費用負担が原因で期待したほど進んでいないのが現状です。そうした中で、新潟県中越地震や福岡県西方沖地震など大きな地震が相次ぐ一方、東海地震や東南海・南海地震、首都直下地震が切迫していることも指摘されており、建築物の耐震化は緊急の課題といえます。
政府の中央防災会議は9月、建物の耐震化の全国展開を掲げた緊急対策方針を決定しました。また、北側一雄国土交通相(公明党)のもとに設置した「住宅・建築物の地震防災推進会議」は6月、今後10年間で住宅と特定建築物(多くの人が利用する建物)の耐震化率を9割(現在は推計約75%)に引き上げることを目標とする提言を発表しました。こうした状況を踏まえ、建築物の耐震改修を強力に後押しするための法改正を行います。
――改正案のポイントは。 耐震化を具体的に進めるため、国が目標などを定めた基本方針を策定し、それに基づき都道府県が耐震改修促進計画を作ります。計画には、学校や病院の耐震化をどのくらい進めるかなどを具体的に明記します。すると、これが根拠となり予算を付けやすくなるなどの効果が考えられます。自治体が一般の住宅など民間の建物の耐震化を進めるために行っている補助制度なども充実しやすくなるでしょう。
また、まちづくり交付金や地域住宅交付金など国の支援制度も、積極的な活用が期待できます。今回の法改正は今後の予算編成や税制改正に大きな影響を与え、関係省庁が耐震化の促進に取り組みやすくなると思います。
――建築物に対する指導なども強化されるようですが。 地震で倒壊した場合、道路をふさいで避難や救援活動の妨げになる可能性のある住宅などを、自治体が耐震改修の指導や助言をする対象に追加します。また、現行法では、自治体が指示できる建物は、病院や百貨店など不特定多数の人が利用する特定建築物に限られていましたが、これに学校や老人ホームなどを加えます。災害弱者の利用が多く、被害が大きくなると予測されるからです。
さらに、自治体の指示に従わない特定建築物は公表できるようにし、倒壊の危険性の高い特定建築物は、建築基準法と連動させて改修を命令できるようにします。
――支援措置は、どう拡充されますか。 耐震改修工事の方法が増えてきたので、それに柔軟に対応できるようにします。また、耐震改修支援センターを設け、事業者などに対して、情報提供のほか、費用の貸し付けに関する債務保証などを実施し、耐震改修を支援します。
――法改正によって期待できる効果は。 まず、地震による死者数や経済被害を大幅に減少させることが期待できます。建物の耐震化を進めることで、緊急輸送道路や避難路が確保され、応急対応が迅速になります。また、仮設住宅の数も抑えられるし、がれきの発生量も減り、早期の復旧・復興に寄与することになります。
要するに、壊れた建物を解体し、整地して建て直すというのは、膨大なエネルギーと費用がかかりますが、壊れないようにすれば、それをセーブできます。
――公明党の取り組みは。 公明党はこれまで、災害が起きるとすぐに現場に飛んで行き、救援活動に当たる一方、地元首長らから復旧に向けた要望を聞くなどして、全力で対応してきました。地震の被災地に行くたびに、被害を軽減するには耐震化を進めることが最も重要だと認識し、党として耐震化を強力に推進してきました。先の衆院選で発表した政策綱領「マニフェスト2005」にも、「地震減災・建物倒壊ゼロ作戦」を盛り込んでいます。
ただ、法律ができれば即、耐震改修が進むとは限りません。しっかりと実効性のあるものにするために、予算の確保や補助制度の創設・拡充を推進していきたいと考えています。地方議員とも連携を取り合いながら、着実に「地震に強い日本の構築」を進めてまいります。
(2005/10/20 公明新聞記事より) |